我らが愛馬エスポワールシチーは前走後在厩で調整をされています。
次走は2月17日 東京11R 第30回 フェブラリーS GⅠ ダート1600m 国際に出走予定です。鞍上は前走に引き続き松岡正海騎手のようです。確かに無難な騎乗ですが、それ以上もないですけどね。
もはや、中央のGⅠでは掲示板も無理でしょうが、ちまちまとローカルを巡るよりは、こうやって中央のレースで玉砕する方が私としても嬉しいですね。無事に回って来てくれればそれだけで十分です。出走奨励金でも貰って来てくれるのなら最高ですが。
昨年暮れの交流GⅠ・東京大賞典を制したローマンレジェンド(栗東・藤原英昭、牡5)が、フェブラリーS(2月17日、東京、GⅠ、ダ1600メートル)に出走しないことが1月18日、明らかになりました。藤原英調教師は「今後は未定で、馬の様子を見ながらになる」とコメントされています。
出走すれば大本命という馬の回避は残念ですが、エスポにとっては少しでも楽になりました。力の落ちた今はそういった運に恵まれることも大切と思います。
無敗でNHKマイルカップGⅠを制し、昨秋の天皇賞秋で5着と初黒星を喫したカレンブラックヒルが1月29日、フェブラリーSへの参戦を正式に表明しました。
平田修調教師は「調整は順調。やってみないと分からないが、東京のダートのマイルは最初が芝だし、ある程度の競馬はできると思う。うまくスタートが切れれば」とコメントされている。
今まで、芝からの転戦馬はことごとく大敗してきたダートGⅠですが、今回はかなり強力な馬が来た印象。エスポと同型でもあり、嫌なところですね。
馬名 | 予定騎手 | 斤量 | 前走 | 前走着順 | 前走人気 | 過去着順 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エスポワールシチー | 松岡正海 | 57.0 | 12/29 東京GⅠ | 大井ダ2000 | 5 | 4 | 10 | 1 | 2 |
ワンダーアキュート | 和田竜二 | 57.0 | 1/30 川崎GⅠ | 川崎ダ2100 | 2 | 1 | 3 | 2 | 1 |
カレンブラックヒル | 秋山真一郎 | 57.0 | 10/28 天皇GⅠ | 東京芝2000 | 5 | 3 | 1 | 1 | 1 |
セイクリムズン | 藤岡佑介 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 3 | 10 | 5 | 9 | 2 |
テスタマッタ | 岩田康誠 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 6 | 8 | 5 | 2 | 3 |
タイセイレジェンド | 石橋脩 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 11 | 7 | 1 | 2 | 1 |
シルクフォーチュン | 横山典弘 | 57.0 | 12/09 カペGⅢ | 中山ダ1200 | 1 | 4 | 11 | 5 | 6 |
グレープブランデー | 浜中俊 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 1 | 4 | 5 | 6 | 3 |
ガンジス | 内田博幸 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 2 | 1 | 1 | 2 | 1 |
ヤマニンキングリー | 武豊 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 10 | 11 | 2 | 7 | 9 |
ガルボ | 57.0 | 2/03 東京GⅢ | 東京芝1600 | 8 | 7 | 2 | 16 | 6 | |
ダノンカモン | ビュイック | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 9 | 4 | 14 | 3 | 15 |
ナムラタイタン | 太宰啓介 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 2 | 8 | 4 | 7 | 6 |
イジゲン | ベリー | 57.0 | 12/02 JCGⅠ | 阪神ダ1800 | 15 | 4 | 1 | 1 | 3 |
マルカフリート | 福永祐一 | 57.0 | 1/12 大和OP | 京都ダ1400 | 1 | 4 | 10 | 5 | 1 |
エーシンウェズン | 蛯名正義 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 5 | 2 | 2 | 1 | 6 |
グランドシチー | 津村明秀 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 5 | 2 | 1 | 1 | 3 |
ホッコータルマエ | 幸英明 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 3 | 1 | 2 | 3 | 3 |
スティールパス | 吉田豊 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 4 | 12 | 11 | 1 | 4 |
アドバンスウェイ | 57.0 | 2/02 すばOP | 京都ダ1400 | 1 | 8 | 15 | 9 | 1 | |
コウセイタロウ | 57.0 | 1/27 三河16下 | 中京ダ1400 | 1 | 2 | 1 | 2 | 7 | |
メイショウツチヤマ | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 10 | 13 | 10 | 5 | 1 | |
ケイアイテンジン | 田中勝春 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 8 | 9 | 2 | 8 | 13 |
アドマイヤロイヤル | 57.0 | 2/02 すばOP | 京都ダ1400 | 2 | 2 | 5 | 4 | 3 |
グランドシチー以下が現在補欠
特別登録馬が発表になりました。確かに例年に比べると地方交流GⅠのようなメンバー構成で、明らかに勝ち負けは厳しいエスポにとってはなんともラッキーな話です。ただ、そろそろこういったいわゆる新興勢力(悪く言うと二流)にも歯が立たなくなるでしょうね。そりゃ、人間で言ったら40歳くらいの感じですもん。なかなか20代には通用しませんって。
今回もエスポワールシチーの鞍上は松岡正海騎手です。主戦の佐藤哲三騎手が落馬による大怪我でまだまだ乗れる状態になく代打騎乗ということになります。エスポの代打騎乗と言えば武豊騎手の場合もありましたが、武豊騎手は往年の迫力はなく、松岡正海騎手の方が堅実と思われます。しかし、松岡正海騎手も以前よりも成績を落としていますし、エスポにしても無難な騎乗に終始し、人気程度の走りしか見せてくれていません。今回こそはアッと驚く好騎乗を見せて欲しいですね。
私ほっさん愛馬との相性は良く、9番人気のチャーミングシチーを最後までしっかりと追って2着に持ってきたり、エスポワールシチーでは2勝してくださったりと大変お世話になっています。過去7戦2勝2着2回と素晴らしい成績です。今回もその相性の良さで是非とも上位に食い込んで欲しいですね。
2013年2月4日現在、JRA通算593勝、GⅠはマイネルキッツの天皇賞春とコイウタのヴィクトリアマイルの2勝でいずれも12番人気での勝利。重賞22勝。勝率8.8パーセント、連対率17.4パーセントと一流騎手の成績。しかし、一昨年(2011年)は53勝、勝率7.8パーセント、昨年(2012年)も58勝、勝率8.2パーセントと生涯成績を下回るもの。少し存在感が薄くなってきている気がします。
松岡正海(まつおか まさみ)は1984年7月18日生まれの28歳。日本中央競馬会(JRA)美浦トレーニングセンター所属する11年目の騎手である。騎手免許は平地競走のみ。現在は相沢郁厩舎所属。
2003年に前田禎厩舎所属でデビュー。同期は石橋脩、長谷川浩大、北村浩平、佐久間寛志、生野賢一、高井彰大、加藤士津八、鈴木慶太、南田雅昭らがいる。
初年度は11勝で、25勝した石橋脩騎手に遅れをとり関東新人騎手賞を逃した。初勝利はデュエットシチー。
通算100勝を上げたのは石橋脩騎手と同じ日だった。
2005年2月にダイヤモンドSで重賞初勝利を上げるが、同年秋、前田禎師が逝去し、相沢郁厩舎に異動した。
2006年にはマイケル・キネーンの紹介によりアイルランドの有力な調教師ジョン・オックス厩舎の元で約3ヶ月間の海外出張を行った。現地では騎乗は2鞍(6着、8着)だったが、馬の身の回りの世話や日本との違いなどを肌で感じ取った。松岡自身も、「この時の経験が、自分の競馬に対するスタンスを変えた。」と語っている。翌2007年もアイルランドで修業をしている。
2007年の皐月賞は15番人気のサンツェッペリンでハナ差2着と惨敗。相当悔しがり、検量室前で思わずヘルメットを叩きつけた。同年のヴィクトリアマイルを12番人気のコイウタで勝利し、GⅠ初制覇を果たしている。
2009年4月18日には通算勝利数が300勝に到達し、同年5月3日に12番人気のマイネルキッツで天皇賞・春を制覇。
2008年が91勝、2009年は98勝、2010年は109勝と確実に勝ち星を伸ばしている。
元騎手で競馬評論家の坂井千明氏に師事しており、坂井が主催する若手騎手の勉強会、通称「千明塾」門下生の代表的な存在である。
独身時代はキャバクラ好きとして知られ、『競馬最強の法則』(KKベストセラーズ)誌上でターザン山本と対談した際には「(キャバクラは)わが国の宝ですから!(笑)」とまで語っていた。当時はそのこともあり金遣いも荒く、年間数千万円の収入があるにも関わらず、しばしば担当の税理士から「もう少し稼がないと税金が払えなくなる」と注意されていたという(『競馬最強の法則』2007年11月号) 。
野球をプレーした経験があり、2006年5月22日に行われたJRA騎手東西対抗野球大会では、投手として完投勝利しMVPを受賞した。
タレントほしのあきが名付け親で有名なハシッテホシーノの主戦騎手に指名された事がきっかけでみんなのウマ倶楽部のレギュラー、木下優樹菜と知合い、「GⅠで勝ったら、インタビューで(木下の口癖である)『チョリース!』を披露する。」と約束。その後、上述の通りマイネルキッツで勝利したため約束を実行に移す。しかし、伝統の天皇賞に於いてのその行為に批判の声があった。
競馬評論家の中では清水成駿氏のファンで、『1馬』(現・優馬)で「今日のスーパーショット」を連載していた頃からの愛読者だという。清水が東京スポーツに移籍してからも同紙の「馬単三国志」を愛読している。
2009年12月にタレントで『馬三郎』で競馬予想を掲載している杉浦美帆さんと結婚。
JRA騎手の南田雅昭、黛弘人らとはバンド仲間であり、「ノビーズ」というバンド名でライブ活動を行っている。
週刊Gallopや自著「藤田伸二の男ラム」で、藤田伸二騎手が「最近の若い騎手は覇気がない」と言いつつも「正海はいいね」と発言したことがある。
一方、田原成貴元調教師は、松岡について注目する若手騎手としつつも「いい意味でのヤンチャとただ荒々しいことを取り違えているんじゃないかと疑いたくなるほどもつれた場面で危険な乗り方をしているレースがある」との懸念も表明している
「明確な意思を持って騎乗するジョッキーである。馬上で激しいアクションをとっても乱れは少ない。馬を抑え込んで御すことができ、自在の立ち回りをしてくる。競馬の予想が好きで、レース展開を読んで決め撃ち的な騎乗をすることが多い。コイウタとマイネルキッツのGⅠ勝ちはロスなくインで脚をタメて作戦勝ちという部分があった。コメントは的確で戦法に関する話は信頼して良い。
2006年以降、.056→.088→.110→.116→.129と確実に勝率を上げていたが、2011年は.078と大きく後退。1着が53回、2着が70回と2着が多いのも気になる。どこか体に悪いところがあるという話はない。見た目にもしっかりと追えている。夏の新潟では早めにスパートして踏ん張らせる意欲的な騎乗が見られたし、成績がひと息だからといって不用意に評価を落とすのは危険だろう。
コース別では府中より中山で連対率が良い。厩舎面からの狙いは武藤善則、松山康久、手塚貴久など。山内研二、大久保龍志、領家政蔵、宮徹と、西の厩舎でも結果を出している。マイネル軍団との結び付きは相変わらず強固だ。」(佐藤祐樹元地方競馬騎手)
ほっさん愛馬での成績 (8戦2勝)
2007年 9月 9日 チャーミングシチー 2歳新馬 阪神芝1800m 2着/9番人気
2008年 5月 3日 アイオロスシチー 3歳500万下 東京ダ1600m 11着/4番人気
2008年11月 2日 エスポワールシチー 錦秋S 1600万下 東京ダ1600m 1着/1番人気
2009年 3月29日 エスポワールシチー マーチS GⅢ 中山ダ1800m 1着/1番人気
2010年10月 2日 アルマニャック 2歳未勝利 阪神ダ1800m 14着/12番人気
2011年10月10日 エスポワールシチー 南部杯JpnⅠ 東京ダ1600m 4着/2番人気
2012年 3月17日 エスペランサシチー 3歳未勝利 中山ダ1200m 2着/4番人気
2012年12月29日 エスポールシチー 東京大賞典 GⅠ 大井ダ2000m 5着/4番人気
順 位 | 馬 名 | レーティング | 備 考 |
1 | テスタマッタ | 116 | |
2 | ワンダーアキュート | 115 | |
3 | エスポワールシチー | 115 | |
4 | カレンブラックヒル | 115 | |
5 | タイセイレジェンド | 112 | |
6 | シルクフォーチュン | 112 | |
7 | セイクリムズン | 111 | |
8 | グレープブランデー | 110 | |
9 | イジゲン | 110 | |
10 | ダノンカモン | 110 | |
11 | ガルボ | 110 |
(1) | レーティング順位については、過去1年間のオープン競走で、110ポンド(牝馬については106)以上のレーティングを得た馬を対象としています。 |
(2) | 牝馬については、4ポンドを加算して順位を決定しています。 |
(3) | 同レーティングの馬については、近走成績、距離実績等を総合的に勘案して順位を付しています。 |
(4) | その他、馬場、近走成績、距離実績等を総合的に勘案し、レーティングを修正することがあります。 その結果、レーティングが110ポンド(牝馬については106)未満となった場合には、レーティング順位の対象とはなりません。 |
(5) | レーティング順位発表後、2月12日(火)までの競走に出走した場合、その結果によりレーティング順位が変わることがあります。 |
競馬ブック
- 記念すべき30回目、GⅠ馬は6頭登録
- 今年、フェブラリーSは区切りの“30回目”。JRAは1984年の番組改革時に「フェブラリーハンデキャップ」と「ウインターS(現在の東海S)」を新設し、ダート競馬の充実を図った。その後、ダート重賞は年々増加し、1995年にはJRAと地方競馬の交流戦が本格的にスタート。1997年3月6日には「ダート競走格付け委員会」が開催され、JRAと地方の垣根を越えた統一的なダート競走が体系化された。
■登録のあるGⅠ馬- エスポワールシチー 2009かしわ記念(船橋)、南部杯(盛岡)、JCダート、2010フェブラリーS、かしわ記念(船橋)、2012かしわ記念(船橋)、南部杯(盛岡)
- カレンブラックヒル 2012NHKマイルC
- グレープブランデー 2011JDダービー(大井)
- タイセイレジェンド 2012JBCスプリント(川崎)
- テスタマッタ 2009JDダービー(大井)、2012フェブラリーS
- ワンダーアキュート 2012JBCクラシック(川崎)
- “統一ダートGⅠ”単独2位のV8なるか
- エスポワールシチーは“統一ダートGⅠ”7勝、ダート重賞10勝(JRA4勝+地方6勝)の実績。フェブラリーSには4度目の挑戦(2009年4着、10年1着、12年5着)となるが、2010年以来3年ぶりとなる優勝旗を手にすることができるかどうか。Vなら、“統一ダートGⅠ”競走の勝ち鞍ではヴァーミリアンに次ぐ単独2位の8勝目、ダート重賞(JRA+地方交流+海外)の勝ち鞍では単独3位の11勝目となる。
- 史上初のフェブラリーS2勝目へ
- エスポワールシチーとテスタマッタが、史上初のフェブラリーS2勝目を目指す。2010年の覇者エスポワールシチーは、フェブラリーSでは4着、1着、5着と掲示板を外しておらず、連覇を狙うテスタマッタも、2010年2着、2012年1着の成績。フェブラリーSは、現在行われている古馬の“統一ダートGⅠ”のなかで、唯一2勝馬が存在しないレースだが、2頭はジンクスを破り、勝利を飾ることができるかどうか。エスポワールシチーがVなら、JRAダートGⅠ競走の勝ち鞍で、カネヒキリに並ぶ2位タイの3勝目に。ちなみに、フェブラリーS2勝目を狙った馬では、同レースがGⅠとなった1997年以降、2001年ウイングアローの2着が最高成績。
- テスタマッタ=岩田コンビは複勝率.818
- テスタマッタと岩田康誠騎手のコンビがフェブラリーSの連覇に挑む。テスタマッタは通算29戦6勝、2着3回、3着7回(複勝率.552)の成績(地方交流戦を含む)だが、岩田騎手騎乗時は11戦2勝、2着2回、3着5回(複勝率.818)の成績で掲示板を外したことは1度もない。Vなら岩田騎手のJRA・GⅠ勝利数は「19」となり、グレード制を導入以降、5人目となるJRA・GⅠ20勝に王手が。
- GⅠ初V目指すシルクフォーチュン
- 東京・ダート1600mの騎手成績(過去10年)を見ると、シルクフォーチュンに騎乗予定の横山典弘騎手がトップの成績。シルクフォーチュンは後方一気の末脚を武器に重賞3勝をマークしており、前年のフェブラリーSでも4コーナー15番手(藤岡康太騎手騎乗)から追い込み2着となっている。横山典騎手がシルクフォーチュンに騎乗するのは、前走のカペラSに続き2回目となるが、同馬にGⅠ初勝利をプレゼントすることができるかどうか。
■過去10年間の「東京・ダート1600m」の騎手成績(2003年~2013年2月3日)
順位 騎手名 成績
1位 横山典弘(72.48.38.306)
2位 蛯名正義(62.43.52.393)
3位 後藤浩輝(57.53.40.320)
4位 内田博幸(55.36.46.269)
5位 柴田善臣(49.57.43.357)
- 初のダート戦、カレンブラックヒル
- 昨年の“3歳マイル王”カレンブラックヒルは初のダート戦。昨年、デビュー戦から毎日王冠まで5連勝を記録し、4戦目のNHKマイルCでは無敗でのGⅠ制覇を成し遂げた。今回は天皇賞(秋)5着以来4カ月ぶりの実戦となるが、初のダート戦を克服し、GⅠ2勝目を飾ることができるかどうか。なお、芝とダートのGⅠを双方制した馬は、海外・地方交流戦を含めると4頭いるが、ダート戦未経験馬のJRAダートGⅠ制覇はこれまでになく、カレンブラックヒルが勝てば、史上初に。
- また、カレンブラックヒルの父ダイワメジャーは中山・ダート1800m戦で初勝利(2戦目)を挙げており、産駒のダート重賞制覇はないが、ショウナンマオがJRAのダート戦で3勝、メジャーアスリートが川崎の“統一ダートGⅠ”全日本2歳優駿で2着に入っている。
■芝&ダートGⅠ双方優勝馬(地方交流・海外のレース含む)
クロフネ(NHKマイルC・ジャパンCダート)
アグネスデジタル(マイルCS、天皇賞・秋、南部杯、香港C、安田記念、フェブラリーS)
イーグルカフェ(NHKマイルC、ジャパンCダート)
アドマイヤドン(朝日杯FS、JBCクラシック、南部杯、JBCクラシック、フェブラリーS、帝王賞、JBCクラシック)
- 昨年1~4着を独占した現7歳世代
- 今年の登録馬(24頭)を見ると、7歳世代がもっとも多く9頭、次いで6歳世代=7頭、5歳世代はグレープブランデー1頭のみ。現7歳世代は、引退したトランセンドを筆頭にダートのスペシャリストが多数顔を揃えており、昨年は1~4着を独占した。今年も7歳世代は、前年の覇者テスタマッタ、昨年のJBCクラシックで“統一ダートGⅠ”初制覇を遂げたワンダーアキュートなど多くの実績馬が出走する予定だが、他の世代を破り、フェブラリーS3連覇を決めることができるかどうか。なお、ワンダーアキュートは“統一ダートGⅠ”レースに限定すると、2011年JCダートから7戦連続で3着以内に入り“馬券の対象”となっている。
- キングカメハメハ産駒が初参戦
- 種牡馬キングカメハメハは、昨年JRAリーディングサイアーの座をディープインパクトに譲ったが、ダート部門では2年連続でトップ。今年はJBCスプリントの覇者タイセイレジェンドなど4頭が登録。同産駒のフェブラリーS出走は初めてとなるが、JRAダートGⅠ初制覇を飾ることができるかどうか。なお、昨年、同産駒はJRAのダート重賞を4勝しており、今年の川崎記念でもハタノヴァンクールが優勝している。
- また、ゴールドアリュール産駒(エスポワールシチー、シルクフォーチュン)とアグネスデジタル産駒(ヤマニンキングリーなど2頭登録)には、フェブラリーS父子制覇がかかる。JRA同一ダート重賞の父子制覇は、過去3例しかなく、フェブラリーSでは「父ゴールドアリュール(2003年)=子エスポワールシチー(2010年)」が達成している。
(*データは2月3日現在)
一週間前厩舎レポート
- イジゲン
- 「今回は根本に戻って、一からやり直すつもりでゲート練習を積んでいます。今のところ落ち着きも出てきて、こちらの思惑通りにいっています。さすがにGⅠで出遅れてしまっては厳しいので、スタートをクリアしないことには同じ土俵に上がれません」と橋本助手。
- エーシンウェズン
- 「ここ2走が惜しい内容。あとひと押しが利いてくれればという感じだからね。中2週の実戦だけど疲れは見られないし、引き続きデキは維持。マイル戦にも対応できるはずだから道中リラックスして掛からなければ十分チャンスはあるよ」と野中師。
- エスポワールシチー
- 「前走は躓いて自分のレースができなかっただけに仕方がない。中間の気配、動きからデキ落ちは見られないし、年齢的な衰えもまったく感じない。条件ベストのマイルに替わる今回は見直せるはず」と安達師。
- ガルボ
- 「前走は外枠が応えましたね。結果的に中途半端な競馬になってしまったし、上位馬は内枠からの馬でしたから。デビュー前の稽古の動きから、ダートにも適性はあると思います。スッと好位に取りつける器用さがあるし、砂を被らず走れるはず。脚抜きのいい軽い馬場になれば、更にチャンスは出てくると思います」と菊地基助手。
- カレンブラックヒル
- 「6日の追い切りは、馬場が悪いため時計は平凡だが、動きは申し分なし。輸送で減るとは思うが、今で480Kあり、いい感じの体つき。ダートをこなせるかどうか、それが最大の鍵だが、とにかくチャレンジしてみる。ゲートを決めて、前半の芝の部分で先行できればいいね」と平田師。
- ガンジス
- 「前走はゲートから出して行って、しかも4角で開いたところに突っ込み、早目先頭という形。それでもアワヤ押し切るかという、強い内容だったと思います。馬体重が示す通り、体調は安定していますし、この中間も何の心配もありません。斤量の恩恵をずっと受けていただけに、57Kというのは気になりますが、GⅠの速い流れは望むところ。十分にチャンスはあると思います」と渋田助手。
- シルクフォーチュン
- 「テンションが上がって、ゲートが悪くなることも考えて、前走後は、早い段階からここ一本に絞っての調整。その効果があって、いい雰囲気できているし、この馬とすればコトコトした面もマシ。昨年のフェブラリーS(2着)の内容なら距離はマイルでも」と藤沢則師。
- セイクリムズン
- 「地方で実績を挙げてはいるが、本当は直線の長いコースが合うタイプのはず。一昨年、去年とも納得のいくレースではなかったし、折り合って勝負どころまで行ければ距離は保つと思う。テン乗りになるので、レースまでに何度か調教に乗ってもらうつもり」と服部師。
- タイセイレジェンド
- 「前回は余裕残しの仕上げ。それに59Kを背負ってパサパサの馬場では厳しかったですね。時季的にボテッと映りますが、上向いていることは間違いありませんし、距離も守備範囲。ハナにはこだわりませんが、真ん中から外目の枠で、早目のスパートができれば楽しみです」と渋田助手。
- ダノンカモン
- 「併せる相手の関係で坂路で追い切ったが、もともと坂路では動かないし、中2週なのでやり過ぎるよりはあれぐらいで良かったと思う。前走はペースが緩くなって行き場がなく、脚を余したが、GⅠともなれば速くなってバラけるだろうしね。この馬の末脚を生かせると思うよ」と池江寿師。
- テスタマッタ
- 「前走は久々で59K。外々を回ったからね。太く映った馬体も絞れてくるだろうし、もともと使いつつ良くなるタイプ。上積みを見込んでいる」と村山師。
- ナムラタイタン
- 「前走は逃げた馬を深追いしてしまい、直線でソラを使ったところを勝ち馬に差された。あのメンバーなら勝てる自信があったし、勝ち馬と同じ位置から運んでいれば結果も違ったと思うんだ。それだけに余計に悔やまれるね。前走後はここ目標に順調。Pコースでやった1週前追い切りの動きも良かったよ。この時季でも相変わらず毛ヅヤがいいし、元気一杯。東京コースは4勝しているし、GⅠで相手は揃うけど、ヒケは取らないと思う」と大橋師。
- マルカフリート
- 「今週は競馬を意識させるために長目からビシッと追った。バタバタになったが、フットワークはいいのでOK。筋肉の状態も凄くいい。前走からの上積みは十分」と樋口助手。
- ヤマニンキングリー
- 「この中間は動きがいい。1週前の追い切り後、鞍を着けて524K。体はそう絞れていないが、東京へ輸送をすればちょうど良くなるだろう。上積みは見込めるから、スタートを決めて好位でロスなく運べれば」と河内師は期待していた。
- ワンダーアキュート
- 「前走は前の馬が物見をしてフラフラ。それも幾らか影響した。使って馬体はスキッとしてきた。芝スタートは苦にしないし、広い東京ならマイルでも」と佐藤正師。
一週間前攻め気配
- イジゲン
- (7日、美浦南W)3歳馬相手ではあったが、最後まで楽な手応えで追走同入。首を大きく使って、活気溢れるフットワーク。体も引き締まって、ほぼ態勢は整った。
- エスポワールシチー
- (7日、栗東CW)いい時の動きが戻っているし、反応も良かった。毛ヅヤもいいし、持ち直している。
- カレンブラックヒル
- (6日、栗東CW)馬場が重かったので時計は平凡だが、重心が低く動きはかなりいい。馬体も逞しくなった。来週のひと追いで万全に。
- ガンジス
- (8日、栗東坂路)詰まったレース間隔でもキッチリとやれたし、時計的にも上出来といえる。逞しい馬体もキープできており、デキは高いレベルで安定。
- グレープブランデー
- (7日、栗東坂路)アオられたが、併せた相手がロードカナロアでは仕方なし。ここにきて馬体がドッシリしてきたし、毛ヅヤも良好。充実ぶりが目立つ。
- シルクフォーチュン
- (6日、栗東CW)少し掛かるのはいつものことだし、素晴らしい回転力。時計も文句なし。ただ、ゴール後大きく躓いたのは少し心配だが……。
- セイクリムズン
- (6日、栗東坂路)馬場開場直後に追われたとはいえ、反応鋭くしっかりと動いた。馬体も黒光りがして見栄えする。コンスタントに使われているが、疲れは見られない。
- タイセイレジェンド
- (8日、栗東坂路)久々をひと叩きされたが、馬体はまだ立派に映る。ただ、脚取りは素軽く、この後ひと絞りできるようなら、変わってきてもいい。
- ダノンカモン
- (7日、栗東坂路)併せてビシッとやれたのはいいが、格下にち切られてしまったのは不満。馬体はなかなか見栄えするが、まだ完調には一歩手前なのかも。
- テスタマッタ
- (6日、栗東CW)久々をひと叩きして随分素軽さが出たし、体も締まった。ゴールを過ぎてから仕掛けて反応は上々。毛ヅヤもいい。
- ナムラタイタン
- (6日、栗東P)ジョッキー騎乗とはいえ、しっかりした動きで水準以上の時計をマーク。まだ汗取りを着けているが、馬体も前走時よりスッキリしてきた感。
- マルカフリート
- (6日、栗東CW)攻めは動かない馬だが、それにしても緩慢。ハミを掛けて追ったのに、ラストは約15秒要した。前走勝ったが、あまりいいデキとは思えない。
- ヤマニンキングリー
- (7日、栗東坂路)ビシッとやれたのは好材料。ビュンと伸びる感じはなかったものの、バテずにしっかりと脚を伸ばしていた。馬体もこれで絞れてきそう。
JRA-HP
2013年のJRA最初のGI レースとなるフェブラリーSは、東京・ダート1600mを舞台に行われている春季のダート王決定戦。地方交流重賞を含むダート競走体系が整備されてきたことで、年々、レースレベルは上昇している印象がある。また、3月下旬にUAEで行われるドバイ国際招待競走を目指す実績馬が多数参戦してくるため、毎年豪華なメンバーが揃う。一昨年の優勝馬トランセンドは、続く国際G1 のドバイワールドC(メイダン・オールウェザー2000m)で2着に好走、優勝馬ヴィクトワールピサと日本馬によるワンツーフィニッシュを演じた。今年は現役屈指のダート巧者たちに加えて、ダート初参戦となる芝の重賞ウイナーもエントリーしてきた。早春の東京競馬場のダートコースを舞台に、熱いV争いが繰り広げられそうだ。
昨年の11月以降は、JRA・地方競馬と舞台を問わず、ダート交流重賞でハイレベルな走りを続けてきたワンダーアキュート(牡7・佐藤正雄)は、安定感でライバルを一歩リードしている。昨秋の始動戦に選んだJpnI・JBCクラシック(川崎・ダート2100m)で初のビッグタイトルを獲得すると、その後もジャパンカップダート2着、GI・東京大賞典(大井・ダート2000m)3着と、大舞台で上位争いを演じた。さらに、2013年の初戦となった前走のJpnI・川崎記念(川崎・ダート2100m)でも2着と連対を確保している。また、昨年のフェブラリーSで3着に食い込んでおり、東京・ダート1600mの適性も十分。昨年11月から約3か月半の短期間でGI・JpnI 参戦が5度目となるタイトなローテーションでも、好勝負は必至だろう。
グレープブランデー(牡5・安田隆行)は、2011年のJpnI・ジャパンダートダービー(大井・ダート2000m)の優勝馬。その後に右前脚の蹄骨の骨折が判明して約10か月の長期休養を余儀なくされたが、昨年5月に戦列復帰したあとは徐々に調子を上げ、番組改革により今年から1月に移設のうえ、フェブラリーSの前哨戦に位置付けされた前走の東海Sで久々に重賞Vを飾った。現5歳世代を代表するダート巧者が好調時の勢いを完全に取り戻した感がある。また、今回の舞台となる東京・ダート1600mでは、3歳春のユニコーンSで2着という実績を持つだけに、初のJRA・GI タイトル奪取を十分狙える位置にいる。
テスタマッタ(牡7・村山明)は、昨年のフェブラリーS優勝馬。その後は勝ち星から遠ざかっているものの、JpnI のかしわ記念(船橋・ダート1600m)と帝王賞(大井・ダート2000m)で連続3着に入るなど、ハイレベルなレースで堅実に上位争いに持ち込んでおり、衰えた印象はまったく感じられない。2013年の始動戦となった前走の根岸Sは、約2か月半の休養明けで6着に敗れたが、優勝馬メイショウマシュウとのタイム差は僅かに0秒3。ベストの舞台に替わり、叩き2戦目で体調面の上積みも見込める今回、フェブラリーS史上初となる連覇を飾るチャンスは十分にあるだろう。
芝のGI ホースであるカレンブラックヒル(牡4・平田修)の参戦は、今年のフェブラリーS最大の見どころと言えよう。デビューから破竹の4連勝でNHKマイルCを制覇。3歳の秋シーズンにも、5か月ぶりの実戦で古馬に初めて挑んだ毎日王冠を快勝、デビュー5連勝を達成した。続く前走の天皇賞(秋)で5着と初黒星を喫したものの、父ダイワメジャーから素晴らしいスピード能力を受け継いでおり、芝1800m以下では未だ無敗。初のダート参戦がいきなり現役最強クラス相手のGI と条件は決して楽ではないが、未知の魅力に溢れている。
明け4歳世代では、ダート路線で実績を積み上げてきた2頭に好勝負の期待が懸かる。ガンジス(牡4・矢作芳人)は、芝でもデビュー4戦目のオープン特別・橘S(京都・芝1400m)を制した実績を持つが、昨夏にダート路線に専念するようになってから大ブレーク。ペルセウスS(東京・ダート1400m)、ギャラクシーS(阪神・ダート1400m)とオープン特別を2勝し、GIII の武蔵野Sと根岸Sでも2着。ダートでは、デビューから通算〔4・3・1・0〕と、3着内率100%の安定感を誇る。まだまだ成長も見込める段階で、重賞初制覇をGI の大舞台で飾る可能性も十分に秘めている。
そのガンジスを武蔵野Sで破っているのがイジゲン(牡4・堀宣行)。同馬はメイクデビュー中山(芝2000m)で3着に敗れたあと、すぐにダート路線へと矛先を向け、未勝利と500万下(いずれも中山・ダート1800m)を圧倒的な強さで連勝。続くオープン特別の端午S(京都・ダート1800m)は4着に敗れたが、その後に2勝を積み上げ、前々走の武蔵野Sで初の重賞タイトルを手に入れた。その馬名どおり“異次元”の可能性を感じさせる好素材。ダート界の強豪が集結した前走のジャパンカップダートでは15着と大敗を喫しているが、この1戦だけで大きく評価を落とすのは早計だろう。
エスポワールシチー(牡8・安達昭夫)は、これまでにダートのGI・JpnI を通算7勝。その中には2010年フェブラリーSのタイトルもあり、同年には米国最高峰レースの国際G1・ブリーダーズカップクラシック(チャーチルダウンズ・ダート2000m、10着)にも遠征。2009年・2010年と2年連続でJRA賞最優秀ダートホースに選出されたように、ダート界で一時代を築いたビッグネームだ。前々走のジャパンカップダートが10着、前走の東京大賞典も5着と、近走は精彩を欠く走りが続いており、全盛期の勢いが感じられないのは事実だが、今回は7勝と最も得意としているダート1600mに舞台が替わり、前走から400m距離が短縮されるのは好材料。底力は侮れない。
シルクフォーチュン(牡7・藤沢則雄)は、強烈な末脚を武器に2011年のプロキオンS、2012年の根岸S・カペラSと、ダートのGIII を3勝。GI のタイトルこそ保持していないものの、ダートの短距離路線では現役トップクラスの実力を持っている。全8勝中7勝をダート1200~1400mの距離で挙げており、ダート1600mでは未勝利だが、昨年のフェブラリーSは後方待機から豪快に追い込んで2着に好走。決してマイルが長すぎるということはない。前走のカペラS快勝後も、調整は順調そのもの。持ち前の決め手をフルに活かせる展開になれば、初のビッグタイトル獲得も夢ではない。
タイセイレジェンド(牡6・矢作芳人)は、5歳時の昨年8月にJpnIII・クラスターC(盛岡・ダート1200m)で重賞初制覇を達成。続くJpnII・東京盃(大井・ダート1200m)では優勝馬ラブミーチャン(NARグランプリ2012年度代表馬)から0秒3差の2着に敗れたが、前々走のJpnI・JBCスプリント(川崎・ダート1400m)を鮮やかに逃げ切り、初のビッグタイトルを獲得した。前走の根岸Sは2番手から伸び脚を欠いて11着に敗れているが、約2か月半の休み明けに加えて斤量も59キロと、条件が厳しかった印象。今回は定量の57キロで前走から2キロ軽くなるだけに、マイペースの逃げに持ち込めば、かなり粘れそう。
ナムラタイタン(牡7・大橋勇樹)は、2011年の武蔵野S優勝馬。重賞タイトルはこの一つのみだが、昨年暮れに出走したGI・東京大賞典では4着に善戦。続く前走の東海Sでは、1着馬グレープブランデーには3馬身離されたものの、2番手追走から直線でしぶとく粘って2着を確保した。明けて7歳と年齢的にはベテランの域に入ったが、今が充実期というムードが漂う。東京・ダート1600mは〔3・1・0・1〕とベストの舞台で、強力メンバーが相手でも大駆けがあるかもしれない。
セイクリムズン(牡7・服部利之)は、前哨戦の根岸Sで10番人気の低評価を覆して3着に好走。JRA重賞では、2011年の根岸S優勝以来、2年ぶりに上位入線を果たした。JRA重賞2勝、地方交流重賞5勝という戦績は堂々たるものだが、全14勝がダート1400m以下の距離で挙げたもの。このフェブラリーSでは、一昨年が好位追走から14着、昨年は果敢にハナを切ったものの直線で失速して15着と2年連続で大敗しており、ラスト1ハロンをいかに踏ん張るかが鍵になる。
デビュー30戦目にして、今回が初めてのダート参戦となるガルボ(牡6・清水英克)。ダートの適性はまったくの未知数だが、これまでに2010年のシンザン記念、2012年の東京新聞杯・ダービー卿チャレンジTと、芝1600mの重賞を3勝。マイルの距離に関しては、ベストと断言できる。流れに応じて自在に動ける器用さがあり、勝負根性も一級品。絶対能力の高さは、今回のメンバーの中でもまったく引けを取らないだけに、軽視は禁物だろう。
ホッコータルマエ(牡4・西浦勝一)は、現役屈指の好メンバーが揃った昨年12月のジャパンカップダートで3着に好走、3歳馬(3頭)の中で最先着を果たした。重賞タイトルは同年8月のレパードSのみだが、勝ち馬に1秒以上離されたのは、初めての実戦でまったく流れに乗れなかった同年1月のメイクデビュー京都(ダート1400m、11着)と、初めて地方交流重賞に参戦した同年7月のJpnI・ジャパンダートダービー(大井・ダート2000m、5着)の2戦だけ。本格化した昨夏からJRAのレースでは一度も4着以下に敗れたことがなく、今回も上位争いに持ち込めるだろう。
デイリー馬三郎
2013年のGⅠレース開幕戦「第30回フェブラリーS」。昨年のJCダート馬ニホンピロアワーズ、東京大賞典勝ち馬ローマンレジェンドは不在だが、今年もバラエティに富んだ実力馬が冬のダート頂上決戦に集結した。
昨年③着馬のワンダーアキュートは、昨年11月のJBCクラシックで悲願のGⅠ初制覇。その後もJCダート②着、東京大賞典③着。そして、先月の川崎記念②着と抜群の安定感を誇る。地力は最上位で、普通に走れれば首位争い必至だ。
11年JDダービー馬グレープブランデーは、前走の東海Sで3馬身差をつける完勝劇。中団から余裕十分の手応えで抜け出し、完全復活を印象づけた。重賞を制した勢いで、中央GⅠの獲得を狙う。
NHKマイルC覇者カレンブラックヒルは今回がダート初挑戦。結果を出したのは01年のトゥザヴィクトリー③着くらいで、昨年のグランプリボスは⑫着に大敗。常識的には厳しいが、スッと先手を取れれば能力の高さで押し切っても不思議ではない。
ガンジスは1番人気の前走・根岸Sで鼻差の②着に惜敗。前哨戦としては合格点で、本番につながる内容だった。まだ底を見せておらず、GⅠ&重賞初制覇を成し遂げる可能性は十分ある。
昨年②着馬のシルクフォーチュンは、前走のカペラSで持ち前の破壊力を存分に発揮して勝利。マイルは若干長いが、展開次第では前走の再現があってもいい。
テスタマッタは昨年の当レースを制してから③③②⑤⑥着と結果を出せていないが、スムーズに運べさえすれば連覇も夢ではない。
前走前 12月26日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 54.4
3F 39.7
2F 26.2
1F 13.6
1月11日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 61.4
3F 44.6
2F 29.3
1F 14.8
1月20日 栗東坂路 稍重馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 60.1
3F 43.4
2F 28.3
1F 14.1
1月23日 栗東坂路 不良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 54.6
3F 40.1
2F 26.7
1F 13.7
1月27日 栗東坂路 良馬場 強めに追う
1回
助手
4F 58.1
3F 41.6
2F 26.6
1F 13.2
1月30日 栗東坂路 良馬場 強めに追う
1回
助手
4F 53.1
3F 38.4
2F 24.9
1F 12.5
2月7日 栗東CW 不良馬場 一杯に追う
松岡正海
7F 98.2
6F 81.4
5F 65.4
4F 50.4
3F 37.2
1F 12.3[6]
2月12日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 63.7
3F 47.0
2F 30.7
1F 14.9
2月13日 栗東坂路 不良馬場 馬なり余力
1回
松岡正海
4F 56.2
3F 39.3
2F 24.9
1F 12.3
2月15日 栗東坂路 重馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 61.7
3F 45.5
2F 29.5
1F 14.4
1月11日、15-15で追い切られました。前走はスタート直後に大きく躓いていたので脚元が心配でしたが、もう15-15で追い切れるようなら、心配しなくても良さそうですね。
1月20日、15-15で追い切られました。以前よりも随分と調教も軽くなりましたし、時の流れを感じますねぇ。
1月23日、14-14程度で追い切られました。レース1か月前ですが、のんびりとした調教内容です。
1月27日、15-15-14-14で追い切られました。脚力の衰えは隠せませんねぇ。
1月30日、衰えたとはいえ、まだまだそれなりの時計を出しますねぇ。ただ、中央のGⅠでは厳しいでしょうね。
2月7日、自己ベストには及ばないものの、ジョッキー騎乗で素晴らしい動きを披露してくれました。
2月12日、15-15で追い切られました。こういった15-15での追い切り本数も少なくなりましたねぇ。
2月13日、またまた松岡正海騎手に関東から来ていただき追い切りに跨がって貰いました。サッと流す程度の調整は先週に安達昭夫先生がおつしゃっていた通り。陣営のイメージ通りです。
・・・とはいえ、フェブラリーSを勝てた当時はサッと流す程度でも凄い時計が出てましたし、追い切りの本数、内容とも寂しいですね。年齢と共に疲れが残りやすくなり仕方がないのですが、この状態で中央のGⅠが勝てるほど甘くはないと思います。
私ほっさんの追い切り評価は「B+」です。先週の本番に向けた本追い切りの内容は評価できます。ただ、それ以外はあまり評価できません。常識的には8着以内も厳しいと思います。
馬名 | 予定騎手 | 斤量 | 前走 | 前走着順 | 前走人気 | 過去着順 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エスポワールシチー | 松岡正海 | 57.0 | 12/29 東京GⅠ | 大井ダ2000 | 5 | 4 | 10 | 1 | 2 |
ワンダーアキュート | 和田竜二 | 57.0 | 1/30 川崎GⅠ | 川崎ダ2100 | 2 | 1 | 3 | 2 | 1 |
カレンブラックヒル | 秋山真一郎 | 57.0 | 10/28 天皇GⅠ | 東京芝2000 | 5 | 3 | 1 | 1 | 1 |
セイクリムズン | 藤岡佑介 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 3 | 10 | 5 | 9 | 2 |
テスタマッタ | 岩田康誠 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 6 | 8 | 5 | 2 | 3 |
タイセイレジェンド | 田辺裕信 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 11 | 7 | 1 | 2 | 1 |
シルクフォーチュン | 横山典弘 | 57.0 | 12/09 カペGⅢ | 中山ダ1200 | 1 | 4 | 11 | 5 | 6 |
グレープブランデー | 浜中俊 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 1 | 4 | 5 | 6 | 3 |
ガンジス | 内田博幸 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 2 | 1 | 1 | 2 | 1 |
ヤマニンキングリー | 武豊 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 10 | 11 | 2 | 7 | 9 |
ガルボ | 石橋脩 | 57.0 | 2/03 東京GⅢ | 東京芝1600 | 8 | 7 | 2 | 16 | 6 |
ダノンカモン | ビュイック | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 9 | 4 | 14 | 3 | 15 |
ナムラタイタン | 太宰啓介 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 2 | 8 | 4 | 7 | 6 |
イジゲン | ベリー | 57.0 | 12/02 JCGⅠ | 阪神ダ1800 | 15 | 4 | 1 | 1 | 3 |
マルカフリート | 福永祐一 | 57.0 | 1/12 大和OP | 京都ダ1400 | 1 | 4 | 10 | 5 | 1 |
エーシンウェズン | 蛯名正義 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 5 | 2 | 2 | 1 | 6 |
グランドシチー | 津村明秀 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 5 | 2 | 1 | 1 | 3 |
ホッコータルマエ | 幸英明 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 3 | 1 | 2 | 3 | 3 |
フルゲート16頭のところに現在18頭出馬想定されています。
馬名 | 騎手 | 斤量 | 前走 | 前走着順 | 前走人気 | 過去着順 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エスポワールシチー | 松岡正海 | 57.0 | 12/29 東京GⅠ | 大井ダ2000 | 5 | 4 | 10 | 1 | 2 |
ワンダーアキュート | 和田竜二 | 57.0 | 1/30 川崎GⅠ | 川崎ダ2100 | 2 | 1 | 3 | 2 | 1 |
カレンブラックヒル | 秋山真一郎 | 57.0 | 10/28 天皇GⅠ | 東京芝2000 | 5 | 3 | 1 | 1 | 1 |
セイクリムズン | 藤岡佑介 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 3 | 10 | 5 | 9 | 2 |
テスタマッタ | 岩田康誠 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 6 | 8 | 5 | 2 | 3 |
タイセイレジェンド | 田辺裕信 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 11 | 7 | 1 | 2 | 1 |
シルクフォーチュン | 横山典弘 | 57.0 | 12/09 カペGⅢ | 中山ダ1200 | 1 | 4 | 11 | 5 | 6 |
グレープブランデー | 浜中俊 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 1 | 4 | 5 | 6 | 3 |
ガンジス | 内田博幸 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 2 | 1 | 1 | 2 | 1 |
ヤマニンキングリー | 武豊 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 10 | 11 | 2 | 7 | 9 |
ガルボ | 石橋脩 | 57.0 | 2/03 東京GⅢ | 東京芝1600 | 8 | 7 | 2 | 16 | 6 |
ダノンカモン | ビュイック | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 9 | 4 | 14 | 3 | 15 |
ナムラタイタン | 太宰啓介 | 57.0 | 1/20 東海GⅡ | 中京ダ1800 | 2 | 8 | 4 | 7 | 6 |
イジゲン | ベリー | 57.0 | 12/02 JCGⅠ | 阪神ダ1800 | 15 | 4 | 1 | 1 | 3 |
マルカフリート | 福永祐一 | 57.0 | 1/12 大和OP | 京都ダ1400 | 1 | 4 | 10 | 5 | 1 |
エーシンウェズン | 蛯名正義 | 57.0 | 1/27 根岸GⅢ | 東京ダ1400 | 5 | 2 | 2 | 1 | 6 |
表中 騎手の太字は乗り替わり
結局ホッコータルマエは回避。グランドシチーは補欠の1番手でしたが非抽選除外となりました。
東京ダ1600mは、東京芝2000mと同様にしばし物議を醸すコース設定。03年にコース新装が行われたが、前者はその状況が是正されなかった。
いまだに抱える欠陥要因は、スタート地点。2コーナー奥の芝部分からスタートすることになるのだが、脚をすべらせてダッシュがつかないことがある。
また、内枠と外枠とでは芝を走る距離が違うが、あるトップジョッキーの話だと、その点はあまり関係ない(騎手は気にしていない)ようだ。
むしろスタート地点そのものに問題があり、芝が得意でない馬にとっては不安材料なのだ。
まずはスタートで好発をできるかが勝負の分かれ目。出遅れたらほぼ終わり。致命傷になる。
ダート戦なので基本的には逃げ・先行が有利だが、1300mや1400mに比べて数字はガクンと落ちる。
中団からの差し馬も互角で、最後は決め手勝負になる。
有利な枠順 フラット 有利な脚質 先行~差し ポイント スタート、決め手 種牡馬ベスト サンデーサイレンス、ジェイドロバリー、フジキセキ 連対騎手ベスト 武豊、横山典弘、蛯名正義、柴田善臣、後藤浩輝 推定勝ちタイム 良馬場 稍重馬場 重馬場 不良馬場 2歳新馬 1分41秒1 1分40秒2 1分40秒9 2歳未勝利 1分40秒3 1分40秒4 1分39秒2 1分39秒9 2歳500万 1分38秒6 1分41秒5 3歳新馬 1分41秒1 1分42秒4 1分40秒4 1分40秒1 3歳未勝利 1分40秒2 1分39秒7 1分39秒6 1分39秒6 3歳500万 1分38秒9 1分38秒1 1分38秒1 1分37秒6 3歳オープン 1分37秒0 1分38秒9 1分36秒7 古馬500万 1分38秒9 1分38秒5 1分38秒1 1分38秒3 古馬1000万 1分37秒8 1分37秒4 1秒37秒3 1分37秒5 古馬1600万 1分36秒7 1分36秒5 1分37秒4 1分36秒0 古馬オープン 1分35秒8 1分35秒6 1分35秒3
競馬ブック
見解
「昨年1~4着独占の現7歳世代が健在だが、魅力は4歳カレンブラックヒルに。マイルは4戦全勝のGⅠ馬。スタート地点が芝なので初ダートでもスピードを生かせる。シルクフォーチュンは昨年2着。今年はここ一本に絞り、落ち着いていれば。イジゲンはゲート練習を入念に。たとえ後手に回っても武蔵野S勝ちの舞台なら。テスタマッタは根岸Sが6着でも上々の内容。条件が好転し、連覇も狙える。」
短評は「上位拮抗」
展開予想
「スタート地点の芝でカレンブラックヒルが主導権を握れる。たとえ2番手からでも砂を被る心配はない。ガンジス、タイセイレジェンドが続き、ワンダーアキュートはこの距離だと差す競馬に。イジゲンはスタート練習を積み、ある程度の位置に。カレンブラックヒルが引き離せば好位勢は失速。イジゲンが末を伸ばし、ゴール前はシルクフォーチュンが一気に差を詰める。」
予想家の印
二重△は△△で処理
馬名 吉田幹 林茂徳 吉岡哲 CPU グレープブランデー ▲ △ △△ △△ セイクリズムン 穴 ナムラタイタン △ △ エスポワールシチー ◎ ガンジス △ △ △ ▲ イジゲン ○ ◎ ▲ ワンダーアキュート △△ △ ◎ ○ カレンブラックヒル △ △ ダノンカモン △△ テスタマッタ △ ▲ ○ ガルボ シルクフォーチュン ◎ ○
あとは無印
予想オッズ
以下61倍以上省略
馬名 予想オッズ カレンブラックヒル 2.6 イジゲン 7.6 グレープブランデー 7.6 シルクフォーチュン 9.5 ガンジス 9.9 テスタマッタ 10.2 ワンダーアキュート 11.1 ナムラタイタン 14.9 エスポワールシチー 24.1 ガルボ 30.1
スピード指数
馬名 最高値 3走前 2走前 前走 評価 エスポワールシチー 102 95 96 91 カレンブラックヒル 92 86 92 89 イジゲン 96 91 96 84 グレープブランデー 94 93 94 94 シルクフォーチュン 99 92 89 94 ガンジス 95 95 91 94
デイリー馬三郎
本紙の見解
「過去に連覇のないフェブラリーS。しかし、昨年のチャンピオン◎テスタマッタにはチャンスが十分にあるとにらんでいる。前走の根岸Sは攻め量が足りずに良化途上だったが、59キロを背負いながらも3角から掛かり気味に上がっていく圧巻のパワー。長く脚を使って⑥着まで追い上げており、次につなげる競馬を見せた。乗り慣れた岩田に戻って、中間は折り合いをつけるケイコを消化。前走以上の態勢なのは間違いない。流れが落ち着くことのないGⅠ戦で掛かる心配も軽減される。末脚の破壊力はメンバー屈指とみた。
○グレープブランデーは3歳時にジャパンダートダービーを勝利。復調に時間を要したが、東海Sでは差しに回って3馬身差の圧勝。完全復活した。久々のマイル戦でも期待できる。
▲ガンジスは自在な立ち回りが魅力で、1F延びても問題ない。〈加藤〉」
◎ テスタマッタ
○ グレープブランデー
▲ ガンジス
× ワンダーアキュート
☆ カレンブラックヒル
△ ナムラタイタン
△ エスポワールシチー
△ シルクフォーチュン
以下省略
エスポワールシチーは全13記者中 ◎(本命)印 1名、〇(対抗) 1記者、△(6番手以下評価) 6記者。
弥永明郎 極-KIWAME-
「初ダートがGⅠ。このケースで勝利を手にした馬はいないというデータがクローズアップされているが、そもそも芝のトップレベルの馬が旬の時期に使った例が皆無。たいがいは頭打ちか低迷時で、目先を変えてのダート挑戦。勝ちを意識してのチャレンジではなかった。
今が旬の◎カレンブラックヒルはマイルなら芝で頂点を狙える位置。ダートでスピードが落ちる分、ポケットからもうひとつの特性であるパワーが顔を出してくる。砂変わりがむしろプラスに出るケースもあり得るし、GⅠメンバーとしては層が薄く、相手関係はかなり楽に映る。逃げにこだわる必要もなし。あっさり勝つのが一流サラブレッドの本質だ。
馬体に迫力が戻った○グレープブランデーが完全復活。本質はマイラーだけに相手の筆頭に推す。各馬が早めに動く展開になりそうなだけに▲シルクフォーチュンの強襲にも注意する。」
佐野裕樹 佐野の左脳
◎エスポワールシチー。馬体やフットワークを見ても、衰えた印象は全くない。前走も発馬でつまずいたことが敗因で、むしろ追い込む脚があったことに驚いた。もともとエンジンのかかりが速いタイプ。たとえ▲カレンブラックヒルが引っ張る流れになっても、戸惑うことはないだろう。ダート1600m戦でのパフォーマンスは抜けており、人気を落とすここは気楽に乗れる立場。プレッシャーから解放されたうえに、強心臓の松岡ならアッと言わせる場面があってもいい。追い切りでは2週続けて手綱を取り、意思の疎通も万全。オッズ次第では大勝負に出る。
堅実な○ワンダーアキュートが相手の本線。
エスポワールシチー(5着)
「スタートでタイミングが合わず躓いてしまいました。終いはしっかり追い込んでいましたが申し訳ありませんでした」(松岡正海騎手・友駿ホースクラブ公式HP)
「上手くスタートが切れずいいところを見せることができませんでした。今後はフェブラリーステークスに向けて調整したいと思います」(安達昭夫調教師・友駿ホースクラブ公式HP)
エスポワールシチー
「落馬寸前になった前回は仕方ないし、今回はベストと言える距離。状態は変わらずにきている。新勢力も多いが、この馬らしいレースをしたい。」(安達昭夫調教師・デイリー馬三郎)
「東京のマイル戦だし、先行タイプだけに内の方がと思っていたから、この枠は問題ないる前走は躓いて自分のレースができなかったのが応えたもの。ゲート五分でスムーズなら巻き返しは可能。」(安達昭夫調教師・競馬ブック)
私は特別登録前はあまり他のメンバーも考えずに常識的には時計の速い中央のGⅠではもう遠く及ばずに着外だうと思っていましたが、案外これというメンバーはいないですね。
ローマンレジェンドや昨年ジャパンカップダートを勝ったニホンピロアワーズもいません。スマートファルコンやトランセンド、フリオーソ、ゴルトブリッツも引退しGⅡ級のメンバーと思います。エスポが若ければ格の違いで一蹴と言いたいところですが、さすがに8歳で年齢を感じさせますし、追い切りも一週前の本追い切りは素晴らしい動きだったものの、全体的に全盛期と比べて軽めなのは否めません。
他に目を向けると私がこのメンバーなら最強と考えるワンダーアキュートはどちらかと言えば中距離型。そして強いときは滅法強いですが、取りこぼしも多く、また時々大きく敗れます。なんとも脆い。とはいえ、東京のダート1600mも1分35秒5良馬場の時計があり、マイルがダメということもありません。目下の充実度はこの馬が一番と私は思います。ワンダーアキュートが敗れた相手、ニホンピロアワーズもローマンレジェンドもハタノヴァンクールもここにはいないですからねぇ。今回から始まるオフェーリアシチーのGⅠクイズもこの馬に投票しました。
1番人気になりそうなのが芝で5連勝後、古馬と混じった天皇賞秋でも5着と高い能力を見せたカレンブラックヒルですが、競馬ブックのスピード指数を見てもわかるように、そんなに凄い走りをしていたわけではありません。その馬がダートの一線級を相手にいきなり勝てるほどダートGⅠは甘いものではありません。適性があったとしても掲示板が一杯と思います。予想家の中には突き抜ける可能性もなどと言う方がおられますが、私は早めに脚が上がって垂れると思っています。母系はダートも走りそうですが、父はダイワメジャーですし、そんなにダートの一線級を出している印象はありません。
前走、東海Sを勝ったグレープブランデーですが、確かに力はつけていますが、ジャパンカップダートでは勝ち馬から1.1秒差。前走の勝ち時計は1分51秒台と特筆するほどでもありません。
確かに今回のメンバーならこのクラスの馬が注目されるでしょうが、まだまだそんなに強い印象はありません。それよりもルメールが上手かったという印象の方が強いですね。
ナムラタイタンは東京ダート1600mは3勝でしかも時計も1分34秒6重馬場と速い時計を持っています。武蔵野Sの負けが気に入らないですが、1発あっても不思議はないと思います。騎手が熊沢重文騎手から太宰啓介騎手になるのも良いと思います。
イジゲンはジャパンカップダート大敗も輸送競馬では実績がなく、輸送の少ない関東なら話は別。とはいえ、やはりジャパンカップダートは負けすぎ。時計勝負に不安を残します。ホーリー先生、インタビューでもしっかりと話せていますよね(笑)。
テスタマッタは昨年の優勝は展開利。我らが愛馬エスポワールシチー陣営としては、そんなに強い馬とは思わないんですけどねぇ。その後エスポの方が二度先着していますし。今回も前に行きたい馬が多く昨年と同じようにこの馬が後ろから差してくるという予想も多いようですが、昨年はフロックとさえ私は思っています。ましてやフェブラリーSを連覇した馬はいません。
シルクフォーチュンは嵌まれば凄い脚で差して来ますがとにかく展開に左右されます。大外枠が歓迎という雰囲気ですが、私は後ろから行く馬ですし、極端に外々を回らされる恐れもあるので決してこの枠が良いとも思えません。また、なんだかんだと言ってもフェブラリーSでは実績のない7歳馬。勝ちきるまではと思うのですが。
ガンジスは戦ってきた相手が軽いし距離も微妙。ここが1400mなら出番があるとも思えますが、一線級相手にスタミナ不安では善戦止まり。
その他、ダノンカモンは本気仕上げもビュイックは本当にいい時と悪い時の騎乗差が激しいですから、なんとも微妙ですね。ただ、人気も落ちそうですし穴党としては注目です。時計もありますし。エーシンウェズンは私のPOG馬です。POGとしてはさっぱりの遅咲きでしたが><。
そこに行くとエスポワールシチーはベストは1600m。前2走は案外ですが、距離は1800mと2000m。東京大賞典は大きく出遅れと言っても3着はなかったですし、ジャパンカップダートは飛ばしすぎたと言っても下がりすぎ。
ただ、ジャパンカップダートは私はずっと鞍上・武豊騎手の追う力を疑っていますし、競馬ブックのスピード指数も91と決して悲観するほどの大敗でもありません。それよりも札幌のエルムSでの走りは本当に素晴らしいものでした。あれからまだ半年程度ですし、全盛期に比べて落ちたことは否めませんがこのメンバーで良馬場で35秒台の決着なら出番はあると思います。34秒台ならお手上げですね。果たしてこの中にそれだけの時計で走れる馬がいるのでしょうか。ハイペースにはなると思いますが、そんなにいないと思います。
芝の部分の少ない内枠を引けたこともいいですね。案外いいところがあるかも知れません。
ワンダーアキュート
ナムラタイタン
エスポワールシチー
その他大勢
何?上位3頭全てフェブラリーSではありえない7歳以上の馬?はぁ~、そうなんですけど新興勢力で”これ”というのがいないんですよねぇ。えっ?もうとっくに世代交代している?多少願望も入っていると思ってください。馬券はこの3頭から軽く買うことにします。自信?ありますよ(笑)。
エスポワールシチーのスタートはやや丁寧に出しましたので一完歩目は若干遅めですが、二の脚が速く労せず2番手に取り付きます。ハナは予想通りタイセイレジェンド。3番手には1番人気に支持された初ダートのカレンブラックヒルがつけます。ゲートが最大の課題だった人気のイジゲンは大きく出遅れます。
600mの通過タイムは34秒6と非常に速く、ジャパンカップダートの二の舞になるのではと心配されました。
しかし、エスポワールシチーは今回も終始手応えが良く、直線を向いて強かった当時のように前を簡単に競り落とすと、まだ仕掛けるのを遅らせる余裕があるにもかかわらず先頭に躍り出ます。ここからが若手のホープ・松岡正海騎手の真骨頂。しっかりと追いエスポの脚を鈍らせません。一時は2馬身ほどのリードをつけ、勝ったかと思われましたが、残り50メートル辺りでグレープブランデーに競り落とされ、後ろのワンダーアキュートが凄い脚でグングンと迫って来て、脚色は完全にワンダーアキュートでしたが、ゴールが来て2着を死守しました。もう一度同じメンバーで戦ったら2着はないでしょう。後ろは直線でごちゃつきましたし、馬の能力や松岡正海騎手の好騎乗などはもちろんですが、いろんな意味でラッキーでした。
今回のエスポワールシチーの走破時計1分35秒2良馬場は、昨年5着の時計1分36秒0良馬場を大きく更新。昨年は包まれたこともありますが、やはり私は武豊騎手の落馬負傷後の追う力を疑っています。今回はさすがは若くて力のある松岡騎手。
2011年にトランセンドが優勝したときの勝ちタイムが1分36秒4良馬場、2010年エスポワールシチーが優勝した時の勝ちタイムが1分34秒9良馬場、2009年にサクセスブロッケンが優勝したときの勝ちタイムが1分34秒6稍重馬場(エスポワールシチーは1分34秒8でした)でこれがレコードタイムです。
良馬場でこの時計は素晴らしいですね。勝ったグレープブランデーを褒めるしかありません。ただ、3着のワンダーアキュートは不利があってまだ脚色が良かったですから、もう少し時計を詰められそうで、やはり現在の能力的にはエスポを上回ると思います。
エスポワールシチー(2着)
「この競馬をするのは予定通りでした。この馬が強い勝ち方をしている時のイメージで、今日は強気に離して行きました。勝てるかと思ったくらいでしたが、今日はグレープブランデーはいい脚を使っていましたね。」(松岡正海騎手・競馬ブック)
「具合が上がっていたしこれぐらいのパフォーマンスはできる馬。直線に向いた時はいけた、と思ったんだけど。惜しかった。勝った馬は強かった。」(松岡正海騎手・日刊スポーツ)
「勝ったと思ったけどね。予定通りの位置で運べたし、具合も上がっていたからこれくらいのパフォーマンスはできる。ただ勝ち馬はいい脚だったね。最後は余裕だったもの」(松岡正海騎手・デイリー馬三郎)
「悔しいです。レースは予定通りで、この馬のパフォーマンスが出来て、勝ったと思いました。少し早めの抜け出しだったかもしれません。しかし、突き放す競馬はこの馬に合っています。勝った馬がいい脚でした」(松岡正海騎手・ラジオNIKKEI)
「良い時のイメージで乗りました。スタートも良く最後まで粘りをみせましたが、今回は勝った相手が強かったということでしょう。」(松岡正海騎手・友駿ホースクラブ公式HP)
「前半のラップが速い割には良く踏ん張ってくれました。レース後鼻出血がありましたが特に異常はありませんでした。トレセン帰厩後、若干疲れがあるのか飼い葉食いが落ちましたが体調面などは問題なさそうです。次走については状態次第ですが得意のマイル戦に標準を合わせたいと思います」(安達昭夫調教師・友駿ホースクラブ公式HP)
ワンダーアキュート(3着)
「流れが速かったです。出して行ってあの位置(中団後ろ)ですからね。直線でも前が壁になって脚を余してしまいました。スムースだったら…と思います」(和田竜二騎手・ラジオNIKKEI)
「直線で前が壁になりさばき切れなかった。その分、脚を余してしまったね。抜け出した時には大勢が決まっていたから。でも崩れないように力はある」(和田竜二騎手・デイリー馬三郎)
イジゲン(12着)
「出遅れてレースに参加できなかった。直線でも進路がなく、馬の走る気がなくなった」(ベリー騎手・デイリー馬三郎)
エスポワールシチー(2着)
「馬場先出し。スタートを決め、難なく2番手の外で、折り合いピタリ。直線も追い出しを待つ余裕。残り300メートルでは一旦完全に抜け出す。この馬のレースはできたし、今日は勝ち馬の決め手を称えるべきだろう。」(競馬ブック)
本賞金が3800万円。付加賞が97.2万円。特別出走手当が411000円。合計39383000円。1口ですと38000円程度はあると思われます。GⅢ勝ちに匹敵する金額でなんとも嬉しいですね。
今回の2着賞金の3800万円加算でエスポワールシチーの生涯獲得賞金は8億8585万円となり、いよいよ9億円が見えて来ました。付加賞が別に1134.7万円。まだこれを含めても9億には届きませんが、なんとも夢のような数字です。
エスポワールシチーは募集金額1200万円の馬でしたから、その利益率は過去のどのクラブ所属馬よりも高い最優秀馬と言えます。この馬よりも賞金を稼いだタップダンスシチーやブエナビスタなどは元々の募集価格が高いですからねぇ。本当に凄すぎる馬に巡り合えました。本日故障が発表されたグレープブランデーのように故障がちではいくら強くても8億も9億も稼げないですからねぇ。
フェブラリーSの馬券ですが、獲りましたよ。
ほら、
一部は画像処理をしているわけではなく、ピンボケです(^_^;)
だから言ったでしょッ!!
ワンダーアキュート本命だって!!
痛恨の頭抜けの撃沈(T_T)
邪魔だ、グレープブランデー!!
2月18日に更新されましたクラブ公式HP近況報告で予想通り次走は5月6日 船橋 かしわ記念 ダート1600mを予定と発表されました。4戦3勝ともっとも相性のいい舞台ですし、何よりもマイルがベストですね。出走間隔もちょうど良いと思いますし、いい走りを期待します。勝って4勝目となれば、船橋競馬場にエスポの銅像くらいは造って欲しいものですね(笑)。
終わった馬という印象はないものの、調教過程やここ2戦の内容からもやはり8歳ですしピークは過ぎた印象が拭えなかったエスポワールシチー。地方の交流ダートならともかく、高速決着となる中央のGⅠではさすがに厳しいだろうと特別登録までは正直諦めていました。
しかし、レース前日にレース予想で詳しく書きましたように、他の陣営も距離やゲートに不安があったりと様々な問題を抱えていました。そんな馬でもGⅢクラスならなんとか勝てますが、ここはGⅠです。さすがに不安を抱えたメンバーが勝てるほど甘い世界ではありませんね。エスポワールシチーやワンダーアキュートが上位に来たように、格がモノを言う世界だと思います。
それでも終わって見るまでどうなるか不安でした。不安がありましたからそんなに大きな自信はありませんでしたし、最下位も覚悟していました。それが勝てなかったものの王道の競馬で素晴らしい時計で2着に来てくれたことは驚きです。2着と言えば賞金3800万円。GⅢ勝ちよりも高い金額です。
ちょうどレース2日前に、クラブから12月ブンの賞金明細が送られて来て、エスポは2走もしているにもかかわらず1口配当が5000円を僅かに超える程度で寂しい金額だったと当サイトの独り言のコーナーで書きました。それが中央のGⅠで2着!!1口で割りますと40000円近くにはなるでしょう。本当に嬉しい臨時収入です。
本日(20日)、フェブラリーSを勝ったグレープブランデーの骨折が発表になりました。やはりスピード能力のある馬は脚元への負荷が大きく故障が心配です。グレープブランデーも最後あれだけ切れる脚を持っている反面、今回が二度目の故障と故障に泣かされています。
エスポがこれだけ稼いでくれているのも、安達昭夫調教師をはじめとした陣営が年に5、6戦と丁寧に使ってくれているから使い減りをしていないことに尽きます。安達昭夫先生の全てが素晴らしいとは言いませんが、それでもこのエスポには抜群の相性で、彼の厩舎でなければここまでの活躍はあり得なかったでしょう。
最近は毎回書いていますが、いつ引退してもおかしくない年齢です。エスポにはすでに何度も感動や思い出をいただいていますが、ここに来てこれだけの夢や感動を与えてくれるとは、本当に感謝の言葉も浮かびません。
いい年ですが、最後は繁殖入りして何頭かの産駒は残して欲しいと思いますし、私は絶対にその子を持ちたい。
とにかく無事で元気で引退まで過ごしてくれたらと思います。そんなことを書きながら、馬主として、フェブラリーSでこれだけやれるのならかしわ記念も南部杯もと思ってしまう自分もいます。なんとも贅沢な悩みです。
引退まで頑張れエスポワールシチー!!できれば哲ちゃんが帰ってくるまでは走り続けて、ラストランは哲ちゃんを背にお願いしたい。
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