キャロットクラブに対するほっさんの意見

●キャロットクラブに入会したきっかけ

 私がキャロットクラブに入会させていただいたのは、2006年11月末のことである。すでに友駿ホースクラブに入会していた私だが、馬主成績などを見て、またホームページが一番お洒落でしっかりしていたこともあり、常々入会しようと思って資料を取り寄せたりはしていた。

 社台やノーザンファームはあまりに投資額が高く、リスクが大きいので、魅力はあるが最初から入会は諦めていた。シルクやマイネルやタイキとの比較になるわけだが、勝率が良く先程も述べたようにホームページが美しく、また取り寄せたカタログも立派で、しかも繁殖牝馬の質が高く、と様々な理由からキャロットを選んだ。

 他にも施設の充実しているノーザンファーム産の馬を所持したかったことと、角居厩舎や藤沢厩舎、松田国厩舎など、日本競馬界を牽引する厩舎に預託されているのも大きな魅力であった。

 入会金2万円は他と比べると高いが、もともと2006年の皐月賞で大勝(2000円が60万)したときに、もう1つクラブに入ろうと思い資金を残してあったので、それは心配なかった。

 シチーに入会したときもタップダンスシチーが有馬記念初出走のときに大逃げを打ってあわや優勝かという2着のレースを見て感動を覚えたからで、キャロットもアロンダイトがジャパンカップダートに優勝したのをきっかけに「これはいそいで入会しないと激戦になるかも」と思い、いそいで入会した。 

●キャロットの募集馬と最初に選んだ馬

 友駿ホースクラブの不満点に生産牧場の規模と繁殖牝馬の質、そして預託厩舎の弱さがあった。キャロットクラブの母系は一流のものが多く(ただしその分値段は高いが)、生産牧場もほとんどが社台ファームかノーザンファームである。また、預託厩舎は募集金額によって随分と違うが、高額の募集馬にはこれまた一流の厩舎が割り当てられている。ちなみにクラブ期待の角居厩舎は2800万円以上の募集馬しか預託予定に入っていなかった。

 また、一応一口2万円程度の安価な馬も募集されていた。しかしこれは血統的にも預託厩舎も地味で、売れ残りも多かった。また、友駿ホースクラブとは逆で関東入厩予定の馬より関西入厩の馬の方が10頭ほど多かった。現実の西高東低を見ればそうするのが当たり前であると思われるが、当たり前のことを当たり前にできているのはさすがだと思った。

 募集馬は9月に一斉に募集されるため、私が入会した11月は「これいいな!」と思った馬はみごとに完売であった。そんな中、安くて良さそうに見えたのが、今回購入したダイナチャイナの05である。35000円という募集価格で父スウェプトオーヴァーボード。父の父は私に縁があるエンドスウィープである。母のダイナチャイナも仔出しが非常によく、どの産駒も1000万クラスで力走している(私はその位で十分なのだ)。そして、預託厩舎も有力の二ノ宮厩舎(主戦は柴田善や木幡両騎手)で申し分なかった。唯一の不満は関東の所属であることだ。残念ながら口取り式もいけないだろうし、生でレースも見られないだろう。

 それでも関西の産駒は魅力的なものがいなかったせいもあり、かなり即決で決めた。

●今後買いたい馬

 やはり、関西の有力厩舎(角居、松田博、音無等)管理で、重賞ウィナーの初仔なんて、とんでもなく高額であろうが、夢として1頭くらいは欲しい。友駿ホースクラブでは良くても佐々木晶三厩舎だが、キャロットクラブだと、抽選に当たって高額ではあるがお金を支払えば夢が叶う。基本的には安くて良い馬だが、1頭くらいは新馬戦1番人気1着というのを味わってみたい。

●キャロットクラブのここが素晴らしい

1.格安で優良厩舎や優良牝馬の仔を入手できる。

 社台ホースクラブやノーザンホースクラブでも上記のことは可能であるが、いかんせん割口が40分の1と、我々普通のサラリーマンには手が出せない(4000万の馬なら1口100万必要)。

 キャロットなら同様の産駒を400分の1で供給してくれるので、4000万の馬でも1口10万で買える。なんとか無理をすれば届く範囲である。また、預託料も40分の1なら月当たり1頭につき1万2千円程度必要となるが、400分の1なら同1200円で済む。

 こういった庶民にも手の届く範囲に窓口を広げてくれたことが、急成長の主な要因ではないだろうか。(お金持ちの人は10口100口と買えばいいわけですしね)

2.繁殖牝馬や預託厩舎の質が非常に高い

 シチーやシルクも同様に格安で馬を購入することができるわけだが、いかんせん預託厩舎が中レベルである。日本を代表するような厩舎にはよほどの高額馬が1頭預けられるか否かである。正直私は、シチーが預託している厩舎の90パーセントは入会当時知らなかった。それだけ実績のないところが多いということである。

 しかし、キャロットクラブは私の購入したダイナチャイナの06ですら、35000円という価格なのに美浦の二ノ宮敬宇厩舎に預託予定である。二ノ宮厩舎といえば、関東では毎回上位10位に入る厩舎で、年間30勝は確実な優良厩舎である。エルコンドルパサーなどの実績馬も輩出している。

 上は日本のトップ藤沢和雄厩舎(正直一般人には縁がないところ)や角居勝彦厩舎とだれもが預託を夢見る厩舎に預託をお願いしている。そういった管理馬がGTで優勝しようものなら祝賀会なんかで会える可能性もある。非常に夢がある素晴らしいことだと思う。

3.会報や馬募集カタログが豪華

 毎月の会報はA460ページほどで、内容も濃くまた、カラーページも多い。そして、牧場や厩務員等いろいろな関係者の話が載っており、面白い。

 馬募集カタログは1冊の本であるが、オールカラーで非常に重厚な作りであり、3000円くらいしそうな高級感を感じる。某1口馬主クラブだと、カタログ取り寄せに料金を請求するところもあるが、これだけの素晴らしいものを無料で提供してくれるところに凄さを感じる。私などは、このカタログに一目惚れして、入会を決意したと言っても過言ではない。(逆に月々の支払い明細書などは以外とちゃっちい)

4.口取り式

 1口馬主の醍醐味の1つに所有愛馬が優勝したときの口取り式への参加があげられる。私は自分の休みと愛馬の出走が重なりかつ地元の京都か阪神競馬場なら、勝ち負け出来る出来ないにかかわらず口取り式への参加を申し込み競馬場へ向かうが、未だに口取り式に参加できたことはない。まず1番大事なことは愛馬が勝利することであるが、初出資の愛馬エドワーズシチーは阪神で勝ちあがったがその日は仕事でいけず(そもそも週休1日のところで働いているからそうなってしまうのだが)、それ以降は口取りの権利のないオペラシチーが5勝しただけで、出資愛馬の勝利はない。(名誉の為に言って置くが、2002年は出資1頭、最高位5着。2003年産は出資1頭、最高位3着。と投資をケチった結果がこれである。2004年からは年10万ずつ投資し、3頭ずつ購入しました。・・・安い馬ばかりですが。)

 他のクラブは口取り式は東京、中山、京都、阪神のみというところもあるが、キャロットは中京や福島、新潟などもしてくれる。場合によっては地方交流でもしてくれるという、本当に会員思いのクラブであります。しかも、某クラブは毎回5名限定となぜか法律枠の10名より少ない人数しか権利をくれないクラブもあるが、キャロットは定員一杯の10名(重賞は20名)の権利を確保してくれている。これは当たり前といえば当たり前なのだが、ありがたい。

5.重賞のトロフィー

 愛馬が重賞を勝てば、主催者などからトロフィーや盾が副賞としていただけるわけだが、キャロットはそれを入札方式にして、最も高額な金額を支払う者に提供し、その購入金額を他の所有会員で分けるという、もっとも平等な方法を提供している。

 だれだって、愛馬が重賞を優勝したときの記念すべきトロフィー(個人では絶対見ることもいただくこともできない物)等を欲しいものである。抽選も良いが入札方式で、しかもその利益はクラブのものではなくて、所有会員のものという考え方が素晴らしい。

 友駿ホースクラブはタップダンスシチーのいろいろなトロフィーなどあるだろうに、クラブの所有にしてしまい、表に出さない。なにか会員軽視な気がしてならない。

6.牧場見学

 提携牧場である、ノーザンファームや社台ファームを予約して見学できるという、なんとも馬主気分を満喫させてくれるサービスである(ただし、愛馬を見学することが目的)。

 競馬通であれば、だれでも日本一の育成施設を是非見てみたいと思うものである。その手伝いもキャロットクラブはしてくれる。

7.優勝祝賀会

 愛馬がGTを勝った時に、騎乗騎手や担当調教師を呼んでの優勝祝賀会を開催してくれる。こういうことすらしてくれないクラブもあるので(GTには縁がないからか?)、素敵なことだと思う。ただ、他のホームページなどを見てもGTを勝っているのは高額な募集馬ばかりだそうで、目標1000万条件勝利(2007年4月現在)の私にはまだまだ遠い話かも知れません。
などなど他にもたくさんありますが、いろいろなサービスを提供しており、馬主気分は高まるばかりです。

●キャロットクラブの不満点

 そんなキャロットクラブも不満点がないわけではない。

1.代替馬がない

 友駿ホースクラブでいつも良し悪しが議論されている代替馬であるが、私は賛成派である。高額な競走馬を購入しても、残念ながら屈腱炎を発症したり、腰が悪いため強く追えなかったりと生き物なのでいろいろな障害が出てくる可能性はある。キャロットクラブの場合、補償は未勝利や未出走の場合、購入金額の40パーセント引くことの総収得額である(いろいろな場合あり)が、これはいかにも少ない。ただ、友駿ホースクラブのように代替馬制度を用いると募集馬の単価は上がる。しかし、最悪の場合、同金額程度の代替馬を返してくれるので、損はするが安心である。

 これらのことから、友駿ホースクラブは初心者用。キャロットクラブは中級者用(馬を見る目がなければかなり損すると思われます。しかし、見る目があるならば、GTウィナーも毎年のように輩出していますし、利益すら出ると思われます)と考えればよいでしょう。

2.無料提供馬がいないので、愛馬のデビューまで辛抱を強いられる

 友駿ホースクラブには購入した時期のよって無料提供馬がついてくる場合がある。この無料提供馬の主旨は、購入した愛馬のデビューまで時間があるので、まもなくデビューする無料提供馬で愛馬のデビューまで楽しんでいただこうというもので、その考え方は非常に評価できる。

 とはいえ、無料提供馬は購入代金無料、飼葉料無料というだけあって、割り口数は非常に大きく5000分の1である。しかも本賞金のみの分配となる。通常は出走手当(約35万円)や距離手当、内国産手当等も分配されるので、6着以降でも僅かなお金が入ってくるのであるが、無料提供馬は本賞金のみなので、5着以内でしか入ってこないことになる。割り口が大きいので未勝利戦5着の場合は概ね1口60円の配当となる。

 しかし、それでも熱いのだ。僅かなお金しか入ってこなくても愛馬の出走はドキドキするし、以前のオペラシチー(無料提供馬 割り口8000)のように重賞(目黒記念GU)でも勝てば4000円程度のお金は入ってくる。

 もちろん、この代金も通常募集馬の購入代金に上乗せされているわけだが、私はそれくらいの遊び心があってもいいと思う。

 事実11月に入会したわけだが、4月現在会費を払っているだけで、全くなんの出走の予定もない。2歳馬を所持しているわけであるから、早くても6月デビューである。わかってはいることだが、寂しい期間である。

3.もう少し遊び心が欲しい

 キャロットクラブは丁寧でしっかりとしているが、もっと遊び心があってもいいと思う。例えば友駿ホースクラブのGTクイズ(詳しくはここをクリック)なんかがそれで、もらえる額は少ないのはわかっているのだが、GTの度にどの馬に投票しようかとドキドキワクワク楽しめる。馬券以外に楽しめるのは、なんだか得した気分である。

4.電話の応対が無愛想

 これは他のクラブでも言えることだが、電話の対応が無愛想である。通信販売までとは行かないまでも、全国にその名を轟かせる一流企業としては、もう少し初心者向けの丁寧な対応ができる受付でも置いておくほうが良いのではないか。おそらく電話に出られる方はそれ専門ではなく、他にホームページ等仕事を持っておられる方がかかってきた電話に仕方なく応対されているのであろうが、なんだかやっつけ仕事みたいになっている。

 その点、友駿ホースクラブの東京本社のお姉さん(40代くらい?)は丁寧で、「他に御用はないですか?」くらいまで、きちっと言ってくれる(それ以外の方が電話に出たら愛想ないが)。

 まぁおそらく電話の中には、愛馬の近況などをネチネチと聞いてくる嫌な会員もいるのだろうけれども、それも含めてお仕事なので、一人一人丁寧に対応して欲しいです。

最後に

 いろいろと、一会員として思うところは美化せずに書きましたが(あくまでも個人のホームページなので)、全体的に見て入会して大満足の優良クラブであると思います。全く後悔等は今のところないです。シチーからキャロットに流れている人が多いようですが、これは途中にも書いたように、貴方の出資できる額や相馬眼、またどれだけ種牡馬や調教師のことを知っているかで、どのクラブにするかを選ぶと良いでしょう。

 間違いなく、友駿ホースクラブは一番初心者向けのクラブ。キャロットクラブは中級のそれなりの目を要さないと損をするクラブです。ですが純粋に損してもよいから重賞やGTを目指したい方はキャロットクラブの方が夢を実現してくれるような気がします。

 もし、入会に迷っている方がいらっしゃれば、わかることはなんでもお答えしますので、クラブに問い合わせるか当サイトの管理者宛にメールしてください。

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