クラージュシチー(リボンシチーの12) 第3戦


友駿ホースクラブ出資愛馬第44号は、売れ残っていたことから2歳夏の入厩ギリギリまで様子見をしていた馬。

私は父でこの世代が初年度産駒となるハービンジャーの仔出しが正直心配だった。ラムタラのように必ずしも父の競走成績と日本の高速馬場が合うかはわからない。しかし、産駒は想像以上に走り、購入段階で2歳リーディング9位と好調。これならと思い購入。

母は自身はサンデーサイレンス産駒ながら未勝利に終わったが私個人はこの時期低迷の一途を辿っていた厩舎に問題があると思っていた。初年度産駒のアスコットシチーは募集段階で私が良いと言った馬だが現在5勝を挙げオープン入り。母の仔出しは非常に良いと言える。

何よりもこの馬は、馬体の良さに惹かれる。元々ハービンジャー産駒は馬体の良い馬が多いが、本馬も総じて質は高い。厩舎も活力溢れる新鋭・高橋義忠厩舎で期待は大きい。

そして牡馬ながら募集総額1400万円と安価なのも有り難い。故障やメンタル面に問題がなければ、まずこの投資が損をすることはないだろう。

2歳の夏まで残口表示も出ずに売れ残っていたことからずっと様子見。近況でも時々素質の高さが出てくるし、馬格もあるしで入厩直前に購入。目標はいつもの2、3勝。


デビュー戦は追い切りでCW全体の8番時計を計時するほどの素晴らしい動き。全体の時計が速いのに、終いも12.2秒としっかりと伸びて私にしてはエスポワールシチー以来の新馬戦追い切り評価「A+」の最高評価。その期待通りの走りで藤沢和雄厩舎の超良血馬のクビ差2着。しかも脚色はこちらが勝っていた。

何と言っても特筆すべきは上がりの時計。上がり3ハロンの32秒2という時計は今夏新馬ナンバーワンの切れ味。過去に2歳時に32秒5を出した馬は3頭。その内の2頭はハープスターやアルフレードといった後のGT馬。これを上回る鬼脚。

そして2戦目の前走は芝2000mで後続を10馬身引き離し圧勝!!走破時計の2分01秒1良馬場は2歳戦ではアグネスタキオンが暮れのラジオたんぱ杯3歳S(当時は2歳馬は3歳表記)GVで出したレコードタイム2分00秒8に0秒3と迫るもので、この時の2着のジャングルポケットの走破時計が2分01秒2、3着クロフネの走破時計が2分01秒4なのでそれらを上回り、このハイレベルなメンバーでも2着に入れるくらいの猛時計だったということになる。これは大物であることは間違いない。抜け出してからソラも使わず素晴らしい能力。


ゲート試験から使い詰めだった為に前走後特に異常はないものの10月8日にグリーンウッドへ放牧に出されました。18日に宇治田原優駿ステーブルに移動、11月5日に栗東トレセンに帰厩しました。


予定通り2014年11月24日 東京11R 第19回 東京スポーツ杯 2歳ステークス GV 2歳オープン 芝1800m 国際 指定に出走!!

フルゲート18頭のところに特別登録数は15頭で、水曜日の想定段階では13頭。結局13頭で確定。

このクラシックの登竜門のレースで勝ち負けに絡むようならば、クラシックに乗れることは確実。おそらく1番人気に支持されるアヴニールマルシェと対戦。なんとか連に絡んで賞金加算したい。

気になる鞍上は現在全国騎手リーディングトップをひた走る戸崎圭太騎手で激アツ。


5着/2番人気。

このメンバーでも圧勝かと思っていたが、現実はそんなに甘くなく5着。しかし、勝ち馬とは0秒2差と僅差で世代でトップクラスの能力であることは確信できた。

今回は初めて馬群の中を経験し、それでいて1馬身の出遅れ。しかも1〜3着馬よりも外を走っているしこれでこの差ならいずれは逆転も可能と見た。

府中を経験したことも、強い馬に揉まれたこともこれからの大きな糧となるし大変有意義な一戦だった。そもそも3年前にこのレースで8着だった我がマデイラもその後4勝目を挙げオープン馬。何せこのレースは層が厚い。そこでの上位なのだから大満足。


レース回顧と時計の評価、レース後の戸崎圭太騎手と高橋義忠調教師のコメントを掲載。

13日の追い切りの動きは5ハロンで水木のコース全体の3番時計!!しかも併走相手のはるか格上の古馬オープン馬を千切る。

20日の時計は水木のコース全体の1番時計!!しかも2番時計よりも1秒速く、全く別次元の動き。追い切りの動きがそのままレースに出る馬だし、今回重賞でも勝ち負け必至。

松嶋屋様撮影現地写真掲載。

(2014年11月26日完結、12月16日追記)

2014年10月15日立ち上げ

●前走後10月8日にグリーンウッドに放牧に出され、次走は11月24日 東京11Rを東京スポーツ杯 2歳ステークス GVを予定

 初戦は上がり3ハロン32秒2の豪脚で、2戦目の前走は2着馬を10馬身も引き離す圧勝で一気に世間の注目となった我らが愛馬クラージュシチー。10月9日に更新されました高橋義忠厩舎公式HPによりますと、

先週の競馬は1着。初戦は物見するところがありましたが、2回目とあって解消されてました。ジョッキーは「乗りやすかった」とのコメント。ただし手前を替えるのがかなり不器用で、ガムシャラに走っている部分が強いと感じました。これからの課題だと思います。早く正しい走法を覚えさせ、体に負担を掛けないようにやっていかなければなりません。8日水曜にグリーンウッドへ放牧。次は11月24日祝日東京11R東スポ杯2歳S(芝1800b)か、11月29日土曜11RラジオNIKKI杯京都2歳S(芝2000b)を予定。鞍上は来春を見据えてじっくりと考えていく方針です。

 ということで、ゲート試験から2戦使い詰めということもあり、10月8日にグリーンウッドへ放牧に出されました。

 また、次走は2014年11月24日 東京11R 第19回 東京スポーツ杯 2歳ステークス GV 2歳オープン 芝1800m 国際 指定11月29日 京都11R 第1回 ラジオNIKKEI杯 京都2歳ステークス GV 2歳オープン 芝2000m 国際 指定を予定ということです。

 どちらもクラシックへの登竜門となるハイレベルなメンバーの集まるレースです。ここで勝ち負けに絡めるようならクラシックへの夢はグッと近づきますし楽しみですね。

 鞍上もだれを乗せてくれるんでしょうね。

これ以降は2014年11月6日に作成

●10月18日に宇治田原優駿ステーブルに移動しました

 10月16日に更新されました高橋義忠厩舎公式HPは次の通りです。

今週18日土曜にグリーンウッドから宇治田原優駿ステーブルへ移動します。坂路の長さもありますし、しっかり乗り込みのできる環境です。こちらで調整して様子を見たいと思います。

ということで、予定通り18日にグリーンウッドから宇治田原優駿ステーブルに移動しました。クラブ公式HPではこんな細かい情報はなーーーーんにも載せてくれませんから有り難いですね。なぜ移動するのかという理由も明確ですし。

●11月5日に栗東トレセンに帰厩しました

 11月5日に更新されました高橋義忠厩舎公式HPは次の通りです。

5日水曜に帰厩しました。背腰の痛みは牧場でケアして問題ない状態です。ソエは牧場で時計を出しても問題なかったということで戻してきました。現在は治まっている状態です。ただソエの症状に関しては個体差がありますので、ある程度調教を積んで、様子を見てから判断したいと思います。24日月曜東京11R東スポ杯2歳S(芝1800b)への出走を目標に調整していきます。鞍上は決定していますが、使えなくなることも考えられますので、本日の発表は差し控えたいと思います。

 ということで、11月5日に栗東トレセンに帰厩しました。鞍上が気になるところですね。おそらく予定通り東スポ杯でしょう。

これ以降は2014年11月18日に作成

●気になる特別登録表(11月24日 東京11R 第19回 東京スポーツ杯 2歳ステークス GV 2歳オープン)

特別登録表 11月24日 東京11R 第19回 東京スポーツ杯 2歳ステークス GV 2歳オープン 芝1800m 国際 指定

第1回登録完了馬 全15頭 フルゲート 18頭  
馬名 予定騎手 斤量 前走 前走着順 前走人気 過去着順
アヴニールマルシェ 北村宏司 55.0  8/31 新潟GV 新潟芝1600
エミネスク 田中勝春 55.0 10/19 未勝利 東京芝1800
グァンチャーレ 55.0 11/01 萩S OP 京都芝1800
クラージュシチー 戸崎圭太 55.0 10/05 未勝利 阪神芝2000
グリュイエール 岩田康誠 55.0 10/25 未勝利 京都芝2000
サトノクラウン ムーア 55.0 10/25 新馬 東京芝1800
ジャストドゥイング 蛯名正義 55.0  9/28 芙蓉OP 新潟芝1800
ストリートキャップ 柴山雄一 55.0  9/28 芙蓉OP 新潟芝1800
スワーヴジョージ 四位洋文 55.0 10/25 アイOP 東京芝1800 10
ソールインパクト 福永祐一 55.0 10/18 未勝利 東京芝1600
ダイワエキスパート 55.0 10/26 くる5下 東京芝1400
ディアコンチェルト 柴田善臣 55.0  8/31 新潟GV 新潟芝1600 13
ペガサスボス 内田博幸 55.0  7/27 中京OP 中京芝1600
マイティティー 54.0 10/11 未勝利 京都芝1600
マイネルシュバリエ 柴田大知 55.0  9/06 札幌GV 札幌芝1800 11

表中 騎手の太字は乗り替わり予定

フルゲート18頭のところに15頭が特別登録されています。これで出馬投票をすれば出走は確定したと言えるでしょう。

鞍上は情報通り戸崎圭太騎手でしたね。そのままこのコンビでクラシックまで行くのでしょうか。

デイリー馬三郎 特別登録段階でのみどころ

 ダービー馬となった11年ディープブリランテを筆頭に直近10年でのちにGTを制した馬が2桁を数える出世レース。4頭の勝ち馬を送り出す朝日杯FS(12月21日・阪神、芝1600m)だけでなく、クラシックに向けても目が離せない。一方で、翌週にGVとなった京都2歳Sが控えるだけに関西馬の参戦は減るかも。
 
 新潟2歳SではA着惜敗。わずか鼻差でタイトルに手が届かなかったアヴニールマルシェが主役を務める。府中はメンバー唯一の33秒台の上がりを駆使してデビュー戦を制した舞台で、当時は素質馬がそろった好カードだった。勲章をつかむ条件は整っている。
 
 マイネルシュバリエは11番人気の評価に反発し、札幌2歳SでA着に食い込んだ。勝ち馬の切れ味には屈したが、好位からの競馬で結果を出したのは収穫。広いコースに変わって真価が問われる。
 
 
未勝利戦を1秒6差で圧勝したクラージュシチーも器は大きい。初戦が続くいちょうSでA着した勝ち馬(ネオルミエール)を上がりで0秒6上回っての首差A着。タイトル獲得を視界にとらえる。
 
 2分0秒3のレコードで初勝利を挙げたグリュイエール。A着に敗れた初戦も上がりは33秒2を記録していたが、流れの違いこそあれ2戦目で5秒以上も時計を短縮。相手強化でも期待が膨らむ。
 
 サトノクラウンは優等生。スタートが速く、勝負どころで他馬が動いても動じず、追いだされると中団から33秒台の脚を繰り出した。父は英マイルGT馬で英ダービーA着。スケールは大きい。
 
 3戦2勝。ジャストドゥイングの敗戦は前記の札幌2歳Sの覇者ブライトエンブレムに敗れた初戦のみ。いくらか気負う面が残っているが、それでも2連勝を決めたのは能力の証明と言えるだろう。
 
 ソールインパクトは3戦目の前走でA着続きにピリオドを打った。まだ余裕を感じさせる勝ちっぷりで、重賞でもチャンスはある。



競馬ブック 特別登録時の有力馬のポイント

 3年前の勝ち馬ディープブリランテがダービーを勝ち、昨年はイスラボニータがレコード勝ち。以前から素質馬が揃うレースだが、近年、特に重みを増している。 アヴニールマルシェはディープインパクト産駒で祖母にキョウエイマーチ。新馬では控える競馬をして、一騎打ちの末にクビでも競り勝った。続く新潟2歳Sはレコードのハナ差2着。早くも一流の片鱗を覗かせている。今回と同じ東京1800メートルで勝っているし、強靭な末脚に加え、若駒らしからぬ完成度の高さ。重賞勝ちのチャンス。

 スワーヴジョージは期待のハービンジャー産駒。ここまで1800メートルばかり3戦。函館で新馬勝ちした直後の札幌2歳Sは不利が響いたが、続くアイビーSでアタマ差2着した。いかにも広い東京向きだ。厳しいレースを続けてきたキャリアが今回あたり生きそうなムード。

 サトノクラウンは新馬で東京1800メートルを経験。平凡な勝ち時計が示す通り落ち着いた流れの中、難しいところも見せずに、しっかり末を伸ばしてきた。全姉ライトニングパールは1200メートルの英GT勝ち。父マルジュはマルセリーナ、グランデッツァきょうだいの母の父でもある。速い時計の勝負でも。

 
クラージュシチーは新馬でクビだけ及ばなかったが、後続には5馬身差。2戦目は順当勝ちだが、10馬身差は強かった。兄のアスコットシチーがダートで活躍しているのに対して明らかに芝向き。前走では早目に追い上げており、どんな競馬でもできそうだ。まだ若さが残る分、成長する余地も大きい。

 グリュイエールは新馬がクビ差2着で後続に3馬身半。2戦目は楽に抜け出してレコード勝ちした。ディープインパクト産駒で、祖母がクロフネの妹にあたる牝系も優秀。1800メートルに対応できるはず。

 ジャストドゥイングは東京の新馬2着のあと、福島、新潟で連勝した。コースは問わない。安定した先行力を生かせば重賞でも。

 ソールインパクトは新潟2歳S優勝のミュゼスルタンと新馬で0秒2差。2戦目でハナ差敗れたのは誤算だが、東京に替わって初勝利を挙げた。相手なりに走れているので、一考の余地はありそう。

 マイネルシュバリエは札幌2歳S2着以来。当時3着のレッツゴードンキがアルテミスSで2着。ゴール前が実に渋太く、休み明けを割り引いても問題になりそう。

これ以降は2014年11月19日に作成

●気になる出馬想定表(11月24日 東京11R 第19回 東京スポーツ杯 2歳ステークス GV)

出馬想定表 11月24日 東京11R 第19回 東京スポーツ杯 2歳ステークス GV 2歳オープン 芝1800m 国際 指定 フルゲート 18頭 想定数13頭
馬名 予定騎手 斤量 前走 前走着順 前走人気 過去着順
アヴニールマルシェ 北村宏司 55.0  8/31 新潟GV 新潟芝1600
エミネスク 田中勝春 55.0 10/19 未勝利 東京芝1800
グァンチャーレ 武豊 55.0 11/01 萩S OP 京都芝1800
クラージュシチー 戸崎圭太 55.0 10/05 未勝利 阪神芝2000
グリュイエール 岩田康誠 55.0 10/25 未勝利 京都芝2000
サトノクラウン ムーア 55.0 10/25 新馬 東京芝1800
ジャストドゥイング 蛯名正義 55.0  9/28 芙蓉OP 新潟芝1800
ストリートキャップ 柴山雄一 55.0  9/28 芙蓉OP 新潟芝1800
スワーヴジョージ 四位洋文 55.0 10/25 アイOP 東京芝1800 10
ソールインパクト 福永祐一 55.0 10/18 未勝利 東京芝1600
ディアコンチェルト 柴田善臣 55.0  8/31 新潟GV 新潟芝1600 13
ペガサスボス 内田博幸 55.0  7/27 中京OP 中京芝1600
マイネルシュバリエ 柴田大知 55.0  9/06 札幌GV 札幌芝1800 11

表中 騎手の太字は乗り替わり予定

フルゲート18頭のところに現在13頭出馬想定されています。

これ以降は2014年11月22日に作成

●追い切り情報(11月22日更新)

前走前 10月2日 栗東CW 良馬場 馬なり伸びる

花田大昴
6F 85.1
5F 67.4
4F 51.4
3F 37.3
1F 11.7[8]



11月9日 栗東CW 良馬場 馬なり余力

助手
5F 72.5
4F 56.7
3F 42.2
1F 13.6[9]


11月13日 栗東CW 良馬場 叩き一杯

難波剛健
6F 78.3
5F 63.7
4F 50.2
3F 38.1
1F 13.0[8]
メイショウサミット(古馬オープン)一杯の外を0.5秒追走3F併せ0.9秒先着


11月16日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 58.1
3F 41.0
2F 26.3
1F 13.2


11月19日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 64.1
3F 46.4
2F 29.4
1F 14.2


11月20日 栗東CW 良馬場 追って一杯

難波剛健
6F 78.4
5F 63.4
4F 49.9
3F 37.1
1F 12.5[5]
 11月9日、帰厩後1本目の追い切り時計を計時しました。ハロン14秒程度ですね。次は未勝利戦とは相手が全然違いますが、これまで見せたクラージュシチーのパフォーマンスからは上位が期待できますし、どれだけやれるのか楽しみですね。

 11月13日、所属の難波剛健騎手を背に一杯に追い切られました。来週が出走で関東への遠征がありますから、実質的に目一杯に追い切られた最終追い切りというところでしょう。
 全体の時計は体重の軽いジョッキー騎乗とはいえ、5ハロンで水木の全体の3番時計!!上は馬場の内目(4分どころや5分どころ)を通っていますが、クラージュシチーは8分どころとかなり外を回ってのこの時計です。そして併走相手は相当格上の古馬のオープン馬(8歳でかなり衰えを感じますが)です。
 ただ、併走相手を千切っているとは言え、終いは13秒台というのはいただけません。そういう意味でも競馬ブックでは”もうひと追い欲しい”となっています。私もその通りだと思いますが、出走するのは来週ですから、あとは終いを伸ばす調教をやれば十分だと思います。ちなみにデイリー馬三郎では”動き絶好A”と最高の評価です。またデイリー馬三郎からは有力馬だけの特別な記事が出ております。
圧巻の一番時計!(城谷)
 来週の東スポ杯2歳Sに向けて1週前追い切りを消化。古豪メイショウサミットを5馬身ほど追走し前半から速いラップを刻み、最後は1秒近く引き離す圧巻の走りで6F78秒5と本日の1番時計をマーク。間隔があいた割に馬体も太めもなく仕上がりは良好。格下の身であるが、好勝負を期待してよさそうだ。

 とあります。専門誌によって多少時計の計測が異なりますが、デイリー馬三郎的には1番時計だったようです。いずれにしても専門誌の評価も高く非凡な能力であることは間違いありません。強敵アヴニールマルシェに勝てるのか、或いはその2着にしっかりと入ってこれるのか、ワクワクしますね。鞍上はどうも戸崎圭太騎手のようですね。本年度の全国騎手リーディングトップのジョッキーですし有り難いですね。ただ、GTだけはちょいと物足りない感があったりしますが・・・。

 11月16日、前回の追い切りでは終いの伸びだけがひと息でしたので、終い2ハロンを13秒で登坂しました。あとは水曜日の追い切りでどのくらい動けるかですね。競馬ブック誌はやはり先週の終いの伸びが不満のようで、他誌に比べてクラージュシチーの評価が少し低くなっています。次の水曜日の動きで評価を変えさせたいですね。

 11月19日、15−15強で追い切られました。月曜日の出走ですから、明日か金曜日に強めに追いきるか終いを伸ばす調教をされるのでしょうね。その動きに注目です。

 11月20日、東京までの輸送があるにもかかわらず一杯に追い切られました。これは状態が素晴らしく良いことを物語っておりますし、動きも全体の時計がウッドチップで6F78.4秒と破格の数字なのに終いも12.5秒でまとめており抜群の内容です。もちろんこの6Fの時計は水木のコース全体の1番時計です。クラージュシチーはこの動きが実戦に結びつく馬ですから、重賞でも当然勝ち負けと思います。
 競馬ブックでは”マズマズ仕上がる”と低評価。デイリー馬三郎では”意欲十分B”と水準以上の評価をいただいております。
 私ほっさんの追い切り評価は「A−」です。これでいて終いが11秒台なら最高評価の「A+」なのですが、確かにベストな状態よりは一歩下がる程度の状態だと思います。それでも力は出せるでしょう。

●出馬確定表

出馬確定表 11月24日 東京11R 第19回 東京スポーツ杯 2歳ステークス GV 2歳オープン 芝1800m 国際 指定 全13頭
馬名 騎手 斤量 前走 前走着順 前走人気 過去着順
アヴニールマルシェ 北村宏司 55.0  8/31 新潟GV 新潟芝1600
エミネスク 田中勝春 55.0 10/19 未勝利 東京芝1800
グァンチャーレ 武豊 55.0 11/01 萩S OP 京都芝1800
クラージュシチー 戸崎圭太 55.0 10/05 未勝利 阪神芝2000
グリュイエール 岩田康誠 55.0 10/25 未勝利 京都芝2000
サトノクラウン ムーア 55.0 10/25 新馬 東京芝1800
ジャストドゥイング 蛯名正義 55.0  9/28 芙蓉OP 新潟芝1800
ストリートキャップ 柴山雄一 55.0  9/28 芙蓉OP 新潟芝1800
スワーヴジョージ 四位洋文 55.0 10/25 アイOP 東京芝1800 10
ソールインパクト 福永祐一 55.0 10/18 未勝利 東京芝1600
ディアコンチェルト 柴田善臣 55.0  8/31 新潟GV 新潟芝1600 13
ペガサスボス 内田博幸 55.0  7/27 中京OP 中京芝1600
マイネルシュバリエ 柴田大知 55.0  9/06 札幌GV 札幌芝1800 11

表中の騎手の太字は乗り替わり

●東京芝1800mコース解説

 スタート地点は1〜2コーナーの間にあるポケット。正面から見ると斜めに横切り、向正面の直線に合流するという特殊なコースとなっている。スタートから向正面の合流地点までの距離は約150m。ここまでの位置取りの攻防はかなり重要で、レースの流れにも影響する。
 内枠を引いた方がコーナーリングの際に距離ロスを避けることができるが、馬群が必然的に内々に寄ってくるので、不利を受けることがある。手ごろな頭数ならばそういった不利は少ないので、どの枠でもあまり気にすることはない。多頭数になった場合は大外枠も不利。真ん中ぐらいがいい。
 全体的な流れは落ち着きやすく、逃げ・先行有利。重賞クラスでも超スローの上がり勝負になることはめずらしくない。そうなった場合は、
速い脚を持っている馬が強いが、あまり後ろにいると届かない。そのため、前半の位置取りが重要になってくる。
有利な枠順 内〜真ん中
有利な脚質 逃げ〜先行
ポイント 前半の位置取り、速い上がり
種牡馬ベスト サンデーサイレンスが断トツ、トニービン
連対騎手ベスト 武豊、蛯名正義、柴田善臣、後藤浩輝、横山典弘
推定勝ちタイム 良馬場 稍重馬場 重馬場 不良馬場
2歳新馬 1分51秒4 1分52秒4 1分52秒9 1分51秒5
2歳未勝利 1分50秒1 1分50秒8 1分49秒7
2歳500万 1分48秒9 1分49秒8 1分49秒4
2歳オープン 1分48秒6 1分48秒4
3歳新馬 1分51秒2
3歳未勝利 1分49秒5 1分49秒7 1分51秒3 1分52秒6
3歳500万 1分48秒6 1分49秒2 1分48秒6 1分53秒2
古馬500万 1分48秒6 1分48秒8 1分50秒1 1分51秒2
古馬1000万 1分47秒9 1分48秒6 1分49秒7 1分51秒7
古馬1600万 1分47秒3 1分48秒2 1分49秒5 1分51秒8
古馬オープン 1分47秒3 1分47秒7 1分48秒9 1分49秒5

●騎手は戸崎圭太騎手 ほっさん評価「B+」

 今回のクラージュシチーの鞍上は現在全国騎手リーディングトップをひた走る戸崎圭太騎手です。

 前走は菱田裕二騎手で10馬身差圧勝でしたが、その強さからもクラシックを目指せる能力を感じる馬であり、大舞台で若手で経験の少ない菱田裕二騎手ではなく、誰に乗って貰うのか注目でした。

 今回関東だからワンポイントで戸崎圭太騎手なのか、或いは皐月賞、ダービーと関東での開催なので関東のトップジョッキー確保でクラシックも彼で行くのかはわかりませんが、申し分ない騎手で激アツです。追う力に優れ、最後の直線は追えば追うほど馬が伸びそうですもんね。


 戸崎圭太騎手と我がほっさん軍団ということになりますと、本年の4月のジェットブラック、昨年6月のスピカシチーの交流戦以来3度目のコンビということになります。どちらも人気通りの結果でしたが、馬の能力をしっかりと引き出していただいたと思います。今回は人気以上を期待したいですね。



 2014年11月18日終了現在、JRA通算326勝、GTは2011年安田記念(リアルインパクト)と阪神JF(レッドリヴェール)の2勝。重賞15勝。勝率12.1パーセント、連対率21.9パーセントと地方所属時代のどうしようもない地方馬への騎乗もありやや数字は低いが、昨年3月に晴れてJRAの所属騎手となってからは成績は急上昇。昨年(2013年)は113勝、勝率13.0パーセント、連対率23.9パーセント、重賞はGT1勝を含む5勝と大活躍。本年(2014年)はここまで134勝、勝率15.8パーセント、連対率25.9パーセントと現在全国騎手リーディングの堂々1位。



 戸崎 圭太(とさき けいた)は1980年7月8日生まれ34歳、日本中央競馬会(JRA)の美浦トレーニングセンターに所属している中央所属としては2年目の元地方競馬所属騎手である。騎手免許は平地競走のみ。田島俊明厩舎所属。

 趣味はスポーツをすることで、好きなスポーツはゴルフ。勝負服は青地に胴赤散らし。青は大井の先輩である内田博幸の勝負服が、胴赤星散らしは同様に的場文男の勝負服の星(★)が由来となっている。壬生中学時代は野球部に所属していた。今でも野球が特技である。

 騎手志望当時、戸崎は中央競馬の存在を知らず、栃木県那須塩原市にあった地方競馬教養センターを受験。1998年、地方競馬教養センター騎手課程を卒業し騎手免許を取得する。大井競馬場・香取和孝厩舎に所属して同年4月12日の大井競馬第3競走C3八組九組をミヤサンヤシマで勝利し、初騎乗初勝利を挙げる。

 2005年6月26日に福島競馬場で行われた3歳未勝利戦で、13番人気だったスプリングラゴスに騎乗し中央競馬初騎乗、10着となる。同年9月14日大井競馬第10競走トゥインクルレディー賞を8番人気のコウエイソフィアで勝利し、重賞初制覇。初めて中央競馬 (JRA) の新規騎手免許試験に挑み、一次試験で不合格となる。

 2007年、初のJRA重賞となったマーチステークスでは、11番人気だったシーチャリオットに騎乗し14着。7月8日、阪神競馬場で行われた3歳以上500万円以下のレースをヤマカツティガーで制し中央初勝利を挙げる。12月13日に地方通算600勝を達成した。

 2007年には全国リーディング3位の活躍を見せた。これは南関東内では内田博幸に次ぐリーディング2位であり、的場文男を上回る勝ち鞍を挙げる活躍ぶりであった。

 2008年、内田博幸が中央へ移籍すると船橋の有力厩舎である川島正行厩舎の主戦をつとめる。東京ダービーでは2007年のアンパサンドに続き、ドリームスカイ(10番人気)で勝利。東京ダービーを連覇した。6月25日の中央との交流重賞帝王賞(JpnT)をフリオーソで制覇。9月17日大井競馬第6競走において落馬、全治1ヶ月の鎖骨骨折を負い、同日第11競走トゥインクルレディー賞でトーセンジョウオーに騎乗できなかった。このようなアクシデントはあったが、ネフェルメモリーを12月31日の東京2歳優駿牝馬で勝利に導き、この年は306勝を挙げて初の全国リーディングを獲得した。

 2009年は船橋記念をスパロービートで勝利し、3月11日のダイオライト記念および3月20日の桜花賞をいずれも2年連続で制覇。続いて京浜盃で重賞4連勝および自身のデビューからの通算勝利数を1000勝を飾った。他にも東京プリンセス賞・羽田盃・浦和記念で優勝し、前年を上回る387勝を挙げ、2年連続で全国リーディングを獲得した。また、中央競馬では前年まで通算5勝の成績から一転して年間20勝を挙げ、安田記念ではコンゴウリキシオーに、天皇賞・秋ではエイシンデピュティに騎乗し中央競馬のGTにも参戦を果たした。クイーンカップでは大井所属のエイブルインレースで、勝ち馬のディアジーナから0.1秒差の3着に食い込む活躍をした。中央では21勝。

 2010年は中央への参戦も積極的に行っている。中央競馬の日本ダービーでトゥザグローリーに騎乗。大井競馬場で行われた東京ダービーではマカニビスティーに騎乗し、圧勝。東京ダービー最多タイの3勝となった。6月30日に行われた帝王賞(JpnT)では、フリオーソに騎乗。中央競馬の有力馬のカネヒキリ・ヴァーミリアン・サクセスブロッケンなどが参戦するなか、先頭を進むサクセスブロッケンの2番手につけ、直線で一気に先頭に躍り出るとそのまま1着でゴールイン。2着は中央競馬のカネヒキリだった。今まで勝ったことのなかったヴァーミリアンにも勝つことができ、表彰式では涙を拭う場面も見られた。交流GTは通算2勝目。7月14日に行われたジャパンダートダービー(JpnT)ではマグニフィカに騎乗。始終先頭をキープ。直線でも一度も前を譲らず、そのままゴールイン。帝王賞に続いて川島正行調教師とのタッグでGTを獲得した。GT通算3勝目。11月3日に船橋競馬場で行われたJBCクラシックは地方最強馬のフリオーソとタッグを組むも武豊騎乗のスマートファルコンに逃げられ2着。11月14日の東京競馬場第11競走第15回東京中日スポーツ杯武蔵野ステークスでは6番人気のグロリアスノアで優勝し、中央競馬重賞を初制覇した。この年は勝利数が伸びず地方競馬単独の勝利数は294勝した山口勲に続く288勝だったが、中央競馬の勝利数も含める規定により前年に続き最優秀勝利回数騎手賞を獲得することとなった。中央では22勝。

 2011年も中央競馬へ参戦。6月5日の安田記念では、南関東の先輩で負傷休養中の内田博幸のお手馬でもあるリアルインパクトに騎乗し、中央競馬GT競走での初優勝を飾った。安田記念の勝利を契機として2度目の新規騎手免許試験に挑んだが、またも一次試験で不合格となった。

 2012年3月14日、船橋競馬場で行われたベストビット特別を1番人気のグレコで優勝し、地方通算2000勝を達成した。7月13日、大井競馬で行われた第6競走において落馬負傷したが、2週間後の7月29日に無事復帰した。

 2012年9月、3度目の新規騎手免許試験に挑むため、願書を提出し、10月、一次試験に合格、1月に受験した二次試験にも合格し2013年3月1日付でJRAの騎手となった。 なお、中央競馬移籍後は美浦の田島俊明厩舎に所属している。

 2013年6月16日、東京競馬場で行われたユニコーンステークスを3番人気のベストウォーリアで勝利し、JRA移籍後初の重賞勝利を決める。


 「ハミを掛けながらでも抑え込む技術があり、自在に馬を操っている。2011年の安田記念では、緩さの残る3歳馬リアルインパクトをテンに出して流れに乗せ、早めに抜け出して粘り込ませた。距離は幅が広く、戦法も多彩だ。」(佐藤祐樹元地方競馬騎手・2011年上半期まで評)


2011年5月5日 フリオーソでかしわ記念を制する戸崎圭太騎手。


2013年5月19日 テレ玉杯でミエノゴーゴーに騎乗する戸崎圭太騎手。(4番人気7着同着)

 ほっさん愛馬での成績 (2戦0勝)
 
 2013年 6月18日 スピカシチー  JRA指定交流 ファンシーサドル特別        船橋ダ1800m 4着/4番人気
 2014年 4月13日 ジェットブラック 3歳未勝利                       阪神ダ1800m 6着/5番人気

これ以降は2014年11月23日に作成

●専門誌の印と評価

競馬ブック

見解

「レコード決着の新潟2歳Sはハイレベル。3着ニシノラッシュは京王杯2歳S3着、6着ナヴィオンはデイリー杯2歳S3着。アヴニールマルシェはそこで2着。クラシック級のスケールの大きさが魅力。スワーヴジョージはアイビーS2着。追ってから体が沈む素晴らしいフットワークを披露。いい脚を長く使える点がセールスポイント。サトノクラウンはいわゆるグッドルッキングホース。センスもあり、切れる脚も使える。一躍、クラシック候補に名乗りを上げる逸材かもしれぬ。マイネルシュバリエは札幌2歳S2着。瞬発力勝負では分が悪くても、ここはマイペースの単騎逃げが叶う。ディープ産駒のグリュイエール、ソールインパクト、ハービンジャー産駒のクラージュシチーはほぼ互角の好素材。


短評は「実力五分」



予想家の印
馬名 吉田幹 林茂徳 吉岡哲 CPU
サトノクラウン △△
アヴニールマルシェ
グリュイエール
グアンチャーレ
マイネルシュバリエ △△
ジャストドゥイング
クラージュシチー △△
エミネスク
ソールインパクト
スワーヴジョージ △△
二重△は△△で処理
あとは無印



予想オッズ
馬名 予想オッズ
アヴニールマルシェ 3.0
クラージュシチー 4.2
ジャストドゥイング 5.7
グリュイエール 7.6
サトノクラウン 9.7
スワーヴジョージ 16.8
マイネルシュバリエ 22.8
グァンチャーレ 24.5
ソールインパクト 24.6
以下27倍以上省略



スピード指数

馬名 最高値 3走前 2走前 前走 評価
クラージュシチー 81 72 81
アヴニールマルシェ 95 76 95
ジャストドゥイング 86 70 72 86
グリュイエール 76 71 76
サトノクラウン 68 68
スワーヴジョージ 86 72 67 86


有力馬のポイント

1番サトノクラウン
 勝ち時計は同日アイビーSと3秒近い差があるが、1000メートル通過が4秒2遅く、46秒2―33秒9の速い上がりを1馬身半突き放した。全姉は英国のGT馬だが、日本の馬場が向く。唯一のキャリア1戦。揉まれた際の不安はあるが、他に比べて上昇の余地が大きい。

2番アヴニールマルシェ
 直線に賭けた新潟2歳Sがレコードのハナ差2着。昨年勝ったハープスターより1秒1速い時計をマークした。上位馬のその後の活躍に見る通りハイレベルの一戦。東京1800メートルの新馬に続いてレース最速上がりをマークし、末脚の確かさに信頼を置ける。ディープインパクト産駒で祖母にキョウエイマーチの良血。将来性を含めて注目の一戦に。

3番グリュイエール
 ディープインパクト産駒で祖母はクロフネの妹。ここまで2戦とも2000メートルだが、新馬で上がり最速、2戦目がレコード。距離短縮、重賞の流れでレースはしやすいくらいだろう。粗削りの面があるので、まだ良くなる余地を残している。

7番マイネルシュバリエ
 昨年の姉マイネグレヴィルに続き札幌2歳S2着。洋芝が向くようで、東京の高速馬場と長い直線への対応が鍵。アルテミスS2着のレッツゴードンキに先着しており、中央の重賞でも力は通用しそう。

8番ジャストドゥイング
 新馬を勝てなかったが、福島での未勝利と芙蓉Sを1800メートルで連勝した。前走の上がり32秒0は優秀。2キロ増、8キロ増と使われながら馬体を増やし、良化の余地は大きい。好位から差せるのが強み。

9番クラージュシチー
 1600メートルの新馬で追い込んで上がり32秒2。2000メートルの2戦目は4角2番手に進出し、10馬身ち切ったように、距離を問わずいい脚が長続きする。兄はダートのオープン馬だが、父ハービンジャーで芝向き。


11番ソールインパクト
 3戦目の未勝利勝ちだが、新潟2歳Sを勝ったミュゼスルタンと新馬で0秒2差。左回りを走り慣れていて、3戦すべて上がり33秒台。1800メートルに延びても相手なりに。

13番スワーヴジョージ
 新馬から3戦、1800メートルを走り慣れている。札幌2歳Sは4角と直線での不利が若駒には厳し過ぎた。アイビーSでアタマ差2着と東京向きを証明し、同じ舞台で期待は高まる。3着ロジチャリスを物差しにすれば、アヴニールマルシェの新馬より差をつけた。更に相手強化でも。


デイリー馬三郎

本紙の見解

「◎アヴニールマルシェ。前走はレコード決着となった新潟2歳S。内枠を利して3角から勝負どころにかけて経済コースを通れた勝ち馬に対して、外を回っての鼻差のA着。敗れたとはいえ、鋭い決め手を発揮し、爆発力は世代屈指を実証するにふさわしい内容だった。デビュー当初に比べて落ち着きが増して、中間はこれまで以上にスムーズな調整を消化。資質の高さだけでなく、完成度でもリードしている。
 ○サトノクラウンはスムーズなレース運びで同舞台の新馬戦を快勝。楽に好位置を取って、仕掛けてからの反応も鋭くケチのつけようのない内容。均整の取れた体で上質なバネがあり、ここでも見劣らない素材。初戦こそ取りこぼしたが、前走が秀逸な▲グリュイエールと続く。〈石堂〉」

◎ アヴニールマルシェ
○ サトノクラウン
▲ グリュイエール
× クラージュシチー
☆ マイネルシュバリエ
△ ストリートキャップ
△ ジャストドゥイング




クラージュシチーは全13記者中 ◎(本命)印 2記者、〇(対抗) 1記者、▲(3番手評価) 3記者、×(4番手評価) 5記者、☆(5番手評価) 2記者、△(6番手以下評価) 1記者、無印 1記者



長谷川仁志     解―KAI―

抜群の破壊力◎クラージュシチー

 新潟の外回りでスローペースだと勝ち時計が平凡になりやすく、上がりの速さで優劣を判断するしかないが、◎クラージュシチーが2走前に記録した32秒2は破格中の破格。中位の内を抜けて首差しのいだ勝ち馬は32秒8だった。さらに、この勝ち馬が重賞のいちょうSでA着した比較も強気にさせるが、クラージュの2戦目が10馬身差の圧勝ときては評価は上がる一方だろう。瞬発力もディープ産駒に負けていないが、ベールを脱いだ破壊力こそハービンジャー産駒の真骨頂。そんな気がする。素質馬ぞろいでも一枚上。
 マイネルシュバリエは福島での勝ち方が強い。最終週の荒れた内を通っての逃げ切りだった。特筆すべきはフットワークのしなやかさ。走る馬に共通の非凡さがある。新潟2歳Sが勝ち馬より目立ったA着のアヴニールマルシェも、レコード勝ちのグリュイエールも強いが、前でさばける強みも加味して本線に扱う。

◎ クラージュシチー
○ マイネルシュバリエ
▲ アヴニールマルシェ


JRA−HP

東京競馬場の芝1800mを舞台に行われている東京スポーツ杯2歳Sは、過去に多数の名馬が好勝負を演じて飛躍の舞台にした出世レースだ。過去10年の優勝馬のうち、2005年のフサイチリシャール、2009年のローズキングダムは、次走で朝日杯フューチュリティSを優勝し、JRA賞最優秀2歳牡馬に選出された。また、2011年のディープブリランテは翌年の日本ダービーを制覇、世代の頂点に立っている。さらに、昨年の優勝馬イスラボニータは、3歳の今年に皐月賞を制覇、日本ダービー2着と、春のクラシック戦線で活躍を見せた。この東京スポーツ杯2歳Sは、暮れの朝日杯フューチュリティSや翌年のクラシックを占う意味でも重要な一戦と言えるだろう。今年も東西から2歳の素質馬たちが東京・芝コースに集結。輝く未来を目指して、熱戦を繰り広げる。

ディープインパクト産駒のアヴニールマルシェ(牡2・藤沢和雄)は、祖母に1997年の桜花賞馬で重賞5勝を記録した名牝キョウエイマーチを持つ厩舎期待の良血馬。6月15日のメイクデビュー東京(芝1800m)をクビ差で優勝。後方待機策から直線で馬群の大外に進路を取ると、またたく間に先行集団を交わし、最後はロジチャリス(2着)との激しい追い比べを制し、見事に初陣を飾っている。そして、2戦目となった前走の新潟2歳Sでは素質馬がそろった中で1番人気の支持を受けて出走。初戦と同様に、後方追走から直線で豪快な末脚を披露してハナ差の2着と勝ち負けを演じた。この中間はひと息入れてリフレッシュも完了。十分な乗り込みを積んだだけに、ここを飛躍のステージにしたいところである。

ジャストドゥイング(牡2・中竹和也)は、ゼンノロブロイ産駒で馬体重が520キロ前後と雄大な馬格を持つ厩舎期待の素質馬。東京競馬場に遠征して臨んだ6月28日のメイクデビュー東京(芝1600m)は0秒2差の2着に敗れたが、続く前々走の未勝利(福島・芝1800m)では先行して直線で楽に抜け出す強い内容を披露、初勝利をマークした。前走のオープン特別・芙蓉S(新潟・芝1800m)では、上がり3ハロン32秒0(推定)という究極の末脚を発揮して差し切り、2連勝を飾っている。まだ折り合い面で課題があるものの、長く良い脚を使えるうえに、レースぶりに幅があるタイプ。すでに芝1800mを2回経験して、ともに勝利している点はアドバンテージになるはず。また、東京、福島、新潟競馬場への長距離輸送も経験して好成績を挙げている点も強調できる材料だ。

スワーヴジョージ(牡2・庄野靖志)は、ハービンジャー産駒の素質馬。7月20日のメイクデビュー函館(芝1800m)では豪快な末脚を発揮して、初勝利を挙げた。3番人気に支持された前々走の札幌2歳S(10着)では、4コーナー手前と直線で他の馬に寄られるアクシデントがあって不完全燃焼の一戦になったが、前走のオープン特別・アイビーS(東京・芝1800m)では身上とするパワフルな末脚を駆使して、勝ち馬のコスモナインボールからアタマ差の2着に好走。勝ち馬と同じ1分47秒1の走破タイムは優秀だ。今回は前走に続いての東京遠征になるが、12日の1週前追い切りは栗東CWコースで6ハロン83秒台、5ハロン66秒台、ラスト3ハロンは38秒台を計時しており、疲れはまったく見られない。500キロ台の雄大な馬体から繰り出す力感あふれる末脚は広い東京・芝コース向きと言えるだけに、ここは有力な優勝候補に挙げられる。

バトルプラン産駒のマイネルシュバリエ(牡2・和田正道)は7月27日のメイクデビュー福島(芝1800m)で押し出されるように逃げたが、2コーナー手前で外からクリアスカイ(15着)が来ると2番手に控え、勝負どころからふたたび先頭を奪うと、直線で最内を通って加速。ラスト2ハロンを11秒9→11秒5でまとめ、優秀な内容で1番人気に応えて初戦を飾った。そして、2戦目は北海道遠征で札幌2歳Sにエントリー。道中は3番手を追走し、ゴール前でブライトエンブレム(1着)の豪脚に屈した形で0秒2差の2着に敗れたものの、3着馬レッツゴードンキ(次走でアルテミスS2着)には追い比べで抜かせない勝負根性を見せており、豊かな将来性をアピール。今回は約2か月半ぶりの実戦になるが、順調に乗り込みを消化。好仕上がりで臨めそうだ。抜群のレースセンスと卓越した勝負根性を武器に重賞初制覇を目指す。

ディープインパクト産駒で近親にクロフネがいるグリュイエール(牡2・藤原英昭)は、デビュー前から大きな注目を集めていた素質馬だ。単勝オッズ1.8倍の1番人気に推された10月14日のメイクデビュー京都は勝ち馬のベルーフからクビ差の2着に惜敗したが、この馬が計時した上がり3ハロン33秒2(推定)はメンバー中最速タイム。初戦から非凡な瞬発力を披露している。そして、真価を発揮したのが2戦目の未勝利(ともに京都・芝2000m)だ。中団追走から直線で鮮やかに抜け出す強い内容で勝利を飾ったが、勝ちタイム2分00秒3は2歳コースレコード。同じ日に行われた古馬1000万下の北野特別が2分02秒7であったことを考えれば、この馬の能力の高さがわかるはずだ。キャリアがまだ2戦と浅く、関東圏への長距離輸送も初めてだけに、今回は試金石の一戦になりそうだが、潜在能力の高さは2歳トップクラスの一頭。V2での重賞初制覇も十分に可能だろう。

ハービンジャー産駒のクラージュシチー(牡2・高橋義忠)は9月20日のメイクデビュー新潟(芝1600m)でクビ差の2着に惜敗したあと、阪神・芝2000mの未勝利に出走。2着馬に10馬身差をつける圧倒的なパフォーマンスを演じて、初勝利を挙げた。道中は中団追走から徐々に進出して4コーナーでは楽な手応えで2番手に上がり、直線で余力を持って逃げた馬を交わすと、あとは後続馬を引き離す一方の大楽勝を演じている。デビュー戦で接戦を演じた勝ち馬のネオルミエールが、次走の新設重賞・いちょうSで2着に好走していることからも、この馬の能力が重賞級であると言えるだろう。未勝利を勝ち上がったばかりで、いきなりの重賞エントリーとなるが、前走で見せた大物感十分の勝ちっぷりから、2連勝で重賞初制覇を飾るシーンも十分にありそうだ。

Marju産駒のサトノクラウン(牡2・堀宣行)は、10月25日のメイクデビュー東京(芝1800m)を快勝。好発進を遂げている。1000m通過タイムが63秒8とスローな流れで瞬発力勝負の競馬になったが、中団追走から直線で一気に抜け出したこの馬のレース内容は素晴らしいもの。手綱を取っていた福永祐一騎手も「現時点では、何も注文をつけるところがありません」と絶賛しており、将来が楽しみな存在である。1戦1勝の身での重賞挑戦となる今回は一気に相手が強化されるが、完成度の高さでは見劣りせず、切れ味も一級品。前走と同じ東京・芝1800mが舞台で慣れが見込めるだけに、さらに高いパフォーマンスを見せてくれるかもしれない。

ディープインパクト産駒のソールインパクト(牡2・戸田博文)は、ここまで3回出走して2着、2着、1着の好成績をマーク。3戦すべてで上がり3ハロン33秒台(推定)の鋭い末脚を発揮、安定したレースを続けている。8月10日のメイクデビュー新潟(芝1600m)は、1馬身1/4先着を許した勝ち馬のミュゼスルタンが次走の新潟2歳Sを2歳コースレコード(1分33秒4)で制しただけに、相手が強かった印象だ。2戦目の未勝利(新潟・芝1600m)も勝ち馬のダイワエキスパートとハナ差の接戦で、中身の濃いレース内容だった。デビュー3戦目の未勝利(東京・芝1600m)でようやく勝ち上がったが、重賞のメンバーに入っても、素質は互角以上と思える存在だ。

ネオユニヴァース産駒のエミネスク(牡2・牧光二)は、8月9日のメイクデビュー新潟(芝1800m)こそ3着に敗れたが、そのあとの放牧が功を奏し、前走の未勝利(東京・芝1800m)では馬体がひと回り成長して、14キロ増の馬体重488キロで出走。4コーナーを抜群の手応えで回ると、直線で鞍上の田中勝春騎手が手綱を抑えたまま先頭に立ち、軽く追われただけで2着馬に4馬身という大きな差をつけてゴールインした。上がり3ハロン34秒6(推定)は出走馬中最速タイムで、まさに圧巻の勝利だった。この中間も美浦坂路で軽快な動きを見せており、体調はさらに上向いてきた印象。相手強化のここでも侮れない存在になりそうだ。

ペガサスボス(牡2・矢作芳人)は、父にディープインパクト、母に1996年の桜花賞馬ファイトガリバーを持つ良血馬だ。7月6日のメイクデビュー中京を勝ち上がったあと、オープン特別の中京2歳S(ともに中京・芝1600m)に挑戦。1番人気に支持されたものの、勝ち馬のケツァルテナンゴから0秒7差の4着に完敗した。しかし、スタートで大きく出遅れたうえに、稍重発表で力を要する馬場コンディションが合わなかったのかもしれない。今回は約4か月ぶりのレースになるが、ここでの復帰に向けて、調整は順調。リフレッシュの効果で馬体の雰囲気は休養前よりも良化しており、ここにきて馬体も絞れてきた。課題であるスタートをスムーズに出て、うまくレースの流れに乗ることができれば、上位進出のチャンスはあるだろう。
「前々走のメイクデビュー新潟(芝1600m、2着)は勝ち馬(ネオルミエール、次走の新設重賞・いちょうS2着)が強かった感じですが、前走の未勝利(阪神・芝2000m)は10馬身差の大楽勝と期待どおりの強いレースで勝ち上がってくれました。そのあとは短期放牧でひと息入れて疲れも解消。13日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りの段階ではもうひと追いほしい馬体でしたが、レース週の最終追い切りで出走態勢は整うでしょう。重賞初挑戦となる今回は相手も強くなるうえに、東京競馬場への長距離輸送も初めてですが、素質では見劣りしないものがありますからね。まだ若さを残していながらも、前走のような高いパフォーマンスができる馬。広くて直線が長い東京・芝コースなら、さらに良さが出るかもしれません」と、厩舎サイドは同馬の能力の高さを強調していた。新種牡馬ハービンジャーの産駒は今年の2歳馬のレースで活躍が目立つだけに、この東京スポーツ杯2歳Sでどんなレースを見せてくれるのか。前走の未勝利で衝撃的なVを飾った素質馬に大きな注目が集まる。

●前走レース後の騎手・調教師・専門誌のコメント

クラージュシチー(1着)

 「手前の替え方が上手ではありませんし、今日のところは能力が違いましたね。まだ課題があるなかで、この勝ちっぷり。これからの馬ですから、まだまだ伸びしろがありそうですね。」(菱田裕二騎手・競馬ブック)

 「今日のところは能力の違いでしょう。手前を替えるのがぎこちないなど課題はありますが、まだこれから変わってくると思います」(菱田裕二騎手・ラジオNIKKEI)

 「能力が違いました。まだ手前の変え方が上手ではないですし、これからもっと良くなってくると思います」(菱田裕二騎手・デイリー馬三郎)


 「まだ手前の替え方が上手くありませんし、今日のところは能力が違いました。課題のある中でのこの勝ち方はまだまだ伸びしろがありそうです」(菱田裕二騎手・友駿ホースクラブ公式HP)

 「状態が良かったので、中1週で登録しましたがあっさりと結果を出してくれました。距離は全く問題ないようなので選択肢が増えました。レース後異常ありませんが、入厩してからここ2戦まで休みなくきているので、リフレッシュする意味で一旦放牧したいと思います。次走については状態次第ですが、今のところ来月の東京スポーツ杯を検討しています。東京コースは脚質的に合っているので、来年のクラシックに向けて結果を出していきたいところです」(高橋義忠調教師・友駿ホースクラブ)
 「絞れる余地は残しているが、馬っぷりの良さは目についた。3角を過ぎると馬なりでスイスイと上がっていき、4角では2番手に。先行していたエーティーロゼッタを早目に交わして先頭に立つと、あとは後続を大きく離して悠々とゴールへ。」(競馬ブック)

●各陣営のコメント

クラージュシチー

 「もまれた時がどうかも能力は通用すると思う。ここが試金石になるだろう。」(高橋義忠調教師・デイリー馬三郎)

 「短期放牧で疲れも取れた。ここ2週、速い時計でビッシリ追えているし、いい状態。揉まれた時にどうかだが、素質は高いと思う。どれだけやれるか楽しみ。」(高橋義忠調教師・競馬ブック)

 「昨日の稽古は当初は単走で行いましたが、前の併せ馬を見ながら最後はかわす形となってしまいました。特に脚元、背腰に異常はないので、輸送減りがなければいい状態でレースを迎えられると思います。今後のこの馬の道筋を考えると良い結果を出せるように頑張りたいと思います」(高橋義忠調教師・友駿ホースクラブ公式HP)

●ほっさん予想

 先週の追い切りと今週の追い切りを見て、これは正直勝つと思いました。最大のライヴァル・アヴニールマルシェも新馬戦を勝った舞台ですし、その時も新潟2歳Sもハイレベルな走りでしたから、当然勝ち負けなのですが、クラージュシチーは追い切りの内容とこれまでの走りから勝つと思います(願望120パーセント)。

これ以降は2014年11月26日に作成(写真は12月16日に追記)

●パドック

 クラージュシチーの馬体重は前走と同じ484キロ。毛づや、馬体、歩様全て良く良い状態だと思いました。重賞の緑のゼッケンがよく似合いますね。これから何度も見たいですね。


 以下の掲載写真は当日現地にいらした松嶋屋様からいただいたものです。撮影順に掲載してあります。


いまだ私は現地で生で見たことがない愛馬クラージュシチー。



結局勝っちゃうサトノクラウン。



来年のダービー馬アヴニールマルシェ。



それにしても私好のみの素晴らしい馬体です。惚れ惚れしますねぇ。そして重賞の緑のゼッケンが似合います(^_^;)。



1番人気馬アヴニールマルシェと北村宏司騎手。



いつもの表情の戸崎圭太騎手。



愛馬バウンスシャッセの主戦北村宏司騎手。



今年は全国騎手リーディングトップ確実な戸崎圭太騎手。



彼も大舞台ではワンパンチ足りないんですよね。それでも腕は間違いないですし良い騎手を配してくれました。

●レース 

 クラージュシチーのスタートはやや出負けして、競馬ブックでは1馬身出遅れと評されています。いくら直線の長い府中とはいえ、2歳戦での大外一気はなかなか難しいものがありますから、ある程度は前につけたいものです。一瞬最後方まで下がってしまったクラージュシチーですが、道中で8番手まで押し上げます。

 今回は9番ゲートということもあり、左右を内に囲まれて馬群の中を追走する形となります。前走の圧勝したときは大外マクりでしたし、馬群の中でどうかという懸念がありましたが、終わって見れば、そんなに大きく影響もなく、今回こういうことを試せたことは今後にとって大きなプラスになります。そんな馬群の中でもしっかりと折り合いが付き、これは直線で弾けて勝っちゃうんじゃないかと思いました。

 直線に向くと巧く外に持ち出して追い出します。新潟の33秒2の脚が炸裂して一気に先頭かと思いましたが、伸びているものの、流石にこのクラスですし、前も止まりません。結局勝ち馬から0秒2差と僅差ながらこの間に3頭も別馬がいて5着。特に外から人気薄10番のエミネスクに最後差されたのはショックでした。クラージュ以上の切れ脚で伸びてくる馬がいるとは・・・。切れだけならメンバー中1番かと思っていましたから。


最後の直線。この時点ではクラージュシチーの切れ脚なら勝ったと思いました。



しかし、さすがにここに重賞。内からも凄い勢いで伸びてきます。



むむッ、クラージュシチーにいつもの切れがないぞ。



優勝争いはアヴニールマルシェとサトノクラウンに絞られた。



レースが終わって引き上げてくるクラージュシチー。アヴニールマルシェの北村宏司騎手は1番人気を背負っての2着に憮然とした様子。

●時計の評価

 今回のクラージュシチーの走破時計は1分48秒1良馬場でした。競馬ブック誌の推定タイムは良馬場で1分46秒5、勝ち馬の時計は1分47秒9でした。競馬ブックの想定よりもかなり遅い走破時計でしたが、タフな競馬であったことは間違いありません。

 クラージュシチーは勝ち馬から0秒2差ですから、重賞でここまでやれたことは評価していいのではないでしょうか。競馬ブックでもスタート時に1馬身差の出遅れとあります。0秒2というのはちょうど1馬身ですから、出遅れがなければもっと肉薄していた計算になりますし、上位の馬よりも外を回って距離ロスもあります。今回は5着でしたが、いろんな意味で評価の高い5着だと思います。

●レース後の騎手・調教師のコメント

クラージュシチー(5着)

 「道中で気が入っていた感じでしたが、許容範囲だと思っていました。ただ、直線もスムーズに内が開いていた割に伸び切れなかったのは、その辺が影響したのかもしれません。」(戸崎圭太騎手・競馬ブック)

 「道中は気が入っていたけど許容範囲。スムーズに行けたが、伸び切れなかった」(戸崎圭太騎手・デイリー馬三郎)

 「道中で気が入っていた感じでしたが、許容範囲だと思っていました。ただ、直線でスムーズに内が開いていた割りに伸び切れなかったのは、その辺が影響したのかもしれません」(戸崎圭太騎手・友駿ホースクラブ公式HP)

●専門誌のレース評価

クラージュシチー(5着)

 「出脚が鈍くて中団の馬込みの中。直線は先に動いた3着馬のあとから外へ出したが、思ったほどに弾けなかったか。それでもしっかり伸びて入着。これも一応はメドは立てた。」(競馬ブック)

●気になる賞金は

 本賞金は320万円。特別出走手当は42.7万円。合計362.7万円。新馬戦2着の時が367.9万円でしたから、ほぼその時と同じ金額です。1口配当は新馬戦の時が4814円でしたから、それよりは微減して4750円程度になると思われます。

 しっかりとそれなりの金額を稼いでくれて、募集総額1400万円の馬としては申し分ない働きですね。

●今後の展望

 私は今回の走りでやはり間違いない能力を感じましたから、安心しました。ただ、このメンバーでも大差で圧勝するかくらいまで夢見ていましたから、やはりそのまでの怪物でもないですね。展開やメンバー、いろんなものが揃わないと重賞には手が届きそうにないですね。それでもオープンクラスの力であることは間違いありません。

●最後に

 5着というと重賞では届かなかったかという印象を受けますが、実際に上記に書きましたように差は少なく、重賞でも上位の能力を見せてくれました。また収穫はたくさんありました。馬込みに入れる競馬が試せたこと、府中のコースを経験できたこと、一線級の強い馬と対戦できたこと、前目から競馬をしてみたことなどです。他にも再度の輸送の経験なども今後にプラスとなるでしょう。

 これで例えば次はもっと後ろで脚を溜める競馬をしてみようとか、いろいろとクラージュシチーのベストに向けて進んでいけるはずです。やはりクラシックではベストの状態でその馬にとってベストな競馬をしなければ勝てません。私はクラージュシチーをGT級と思っていましたが、現状はまだそこまでではないですね。差はないとはいえ、実際GVで勝ちきれないわけですから。

 今回2着でクラシックの大本命アヴニールマルシェを物差しに考えても、アヴニールマルシェが新潟2歳Sで下した3着以下が重賞等で活躍していますが、その時の2着アヴニールと3着馬の差は0秒2差でした。クラージュシチーもそのくらいのポジションにいるということです。

 しかも競馬ブックでは今回の追い切り評は「マズマズ仕上がる」程度の低評価でした。この急仕上げ感タップリの状態でこれだけやれるのですから、事前の状態が良ければもっとやれるでしょう。

 レース後の競馬ブックの評でも「一応メドは立てたか」と回りくどい言い方ながらメドの立つ走りだったと評価されています。

 賞金加算できなかったのは残念ですが、私はこれだけのメンバー相手にこれだけやれたことで安堵しています。

 これで獲得本賞金も1100万円に。募集総額1400万円の馬が2歳にしてこの稼ぎですよ。嬉しすぎるじゃないですか。私の目標である安価で2、3勝できる馬としてはすでにかなりの満足度です。

 ハービンジャー産駒は晩成の雰囲気がありますし、春に成長していれば、凄い馬になっていると思います。


 この週はフロアクラフトと共に5着でしたが、双方本賞金を加算してくれてそこそこの配当もありますし、次への期待のできる内容でしたから大満足です。馬券は大きくやられましたが・・・><。


 クラージュシチーは次は12月27日のエリカ賞のようですが、ここは確実に勝ってまた重賞に挑戦したいですね。27日も仕事なんですけどね(T_T)。

 そんなこんなで、クラシックへの期待は変わらずクラージュシチーの活躍を楽しみにしています。頑張れクラージュシチー!!クラシックに連れて行ってくれッ!!

最後までご愛読ありがとうございました

2014年10月15日立ち上げ 11月6日、10日、14日、18日、19日、22日、26日、12月16日加筆
クラージュシチーの過去の特集をご覧になりたい方はこちら

2014年10月 5日 第2戦 2歳未勝利 阪神芝2000m (1着1番人気

2014年 9月20日 デビュー戦 2歳新馬 新潟芝1600m (2着/3番人気)

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