代替馬アルアインシチー 第2戦
超地味地味血統でしかも、脚元不安。
全く期待していなかったが、初戦は見どころたっぷりの4着。
初戦でこれだけ走る大型馬なら、当然2戦目は激アツ。
・・・と思ったら!?
2月7日 東京1R 3歳未勝利 ダート1400mは、
9着/3番人気。
攻め強化で人気の一角もまさかの直線失速。
蛯名正義騎手の騎乗は完璧だった。
では、敗因は?
レース回顧と時計の分析、
レース後の蛯名正義騎手のコメントと専門誌の評価を掲載。
(2009年2月10日完結)
2009年1月30作成
これ以降は2月4日に作成
これ以降は2月4日作成
出馬想定表 2月7日 東京1R 3歳未勝利 ダート1400m 全18頭
|
馬名 |
前走騎手 |
前走 |
着 |
人 |
過去着順 |
追い切り |
優 |
アルアインシチー |
鷹野宏史 |
1/25 新馬 |
中山ダ1200 |
4 |
12 |
|
|
|
|
B+ |
|
アルセーヌシチー |
江田照男 |
1/24 未勝利 |
中山ダ1200 |
11 |
6 |
14 |
|
|
|
|
|
カシノクリス |
二本柳壮 |
1/05 未勝利 |
中山ダ1800 |
13 |
13 |
8 |
12 |
7 |
8 |
|
|
クニノテンジン |
丹内祐次 |
1/18 新馬 |
中山ダ1800 |
11 |
16 |
|
|
|
|
|
|
クリノハッピー |
高橋智大 |
1/17 未勝利 |
中山ダ1200 |
6 |
15 |
10 |
15 |
13 |
|
|
|
コスモハーモニー |
大野拓弥 |
1/18 未勝利 |
中京ダ1700 |
6 |
6 |
12 |
5 |
|
|
|
|
ザバトルアトラス |
村田一誠 |
1/24 未勝利 |
中山ダ1200 |
14 |
11 |
16 |
10 |
|
|
|
|
ジュンノブルボン |
高橋智大 |
1/04 新馬 |
中山ダ1800 |
12 |
12 |
|
|
|
|
|
|
スノーレーザー |
郷原洋司 |
1/05 未勝利 |
中山ダ1200 |
7 |
10 |
9 |
5 |
10 |
5 |
|
|
ダイワチャンス |
北村宏司 |
1/05 新馬 |
中山芝2000 |
10 |
8 |
|
|
|
|
|
|
ティーガー |
菊沢隆徳 |
11/02 未勝利 |
福島芝1200 |
6 |
3 |
9 |
4 |
|
|
|
|
ディアキャンドル |
福永祐一 |
1/18 未勝利 |
中山ダ1200 |
11 |
9 |
7 |
|
|
|
|
|
トウカイトルネード |
伊藤工真 |
1/25 新馬 |
中山ダ1200 |
8 |
5 |
|
|
|
|
|
|
トウショウパンサー |
後藤浩輝 |
11/15 未勝利 |
東京芝1600 |
10 |
11 |
8 |
8 |
|
|
|
|
トキメキヒーロー |
池添謙一 |
10/26 新馬 |
東京芝1400 |
6 |
9 |
|
|
|
|
|
|
ミスティックセドナ |
菊沢隆徳 |
1/11 新馬 |
中山ダ1200 |
12 |
7 |
|
|
|
|
|
|
メジロテンダー |
吉田豊 |
8/02 未勝利 |
新潟芝1800 |
8 |
3 |
10 |
|
|
|
|
|
ワンツーリターン |
後藤浩輝 |
11/16 未勝利 |
東京芝1400 |
3 |
2 |
4 |
12 |
|
|
|
前走、4節以内の優先出走権を持っているのはアルアインシチーだけです。このメンバーで確定すれば、1番人気は確実でしょう。
そして気になるのは鞍上ですが、やはり前走結果を出した鷹野宏史騎手なのでしょうか。それとも、優先出走権を武器に一流の騎手(吉田豊騎手か?もしかすると内田博幸騎手)に依頼するのでしょうか。
スタート地点は向正面右。1300mのスタート地点からそのまま100m下がる。わずか100mの違いだが、1300mとは別物。スプリンターに向いた1300mに対して、明確に距離適性が問われる。
スタート後、3コーナーまで約400mも距離があり、まずはこの地点でペースがグンと上がる。3〜4コーナーでもスピードは緩まずに、スタート後の600mが特に速くなるのがこのコースの特徴。しかし、前半の主導権争いでひるんでいては勝負にならない。
基本的には逃げ・先行が強いコースなので、特に下級条件は先行力が1番のポイント。クラスが上がると差しも決まる。
唯一の重賞が組まれている根岸ステークスは、差し馬の好走が多い。しかし、その場合でも馬群の大外を回らされる馬が厳しい。中団の馬群の中で脚を溜め、できるだけ距離ロスを防いでいるシーンが多いはずだ。
枠順は互角。脚質、メンバーによって変わってくる。
有利な枠順 |
フラット |
有利な脚質 |
逃げ〜差し |
ポイント |
先行力、コース取り |
種牡馬ベスト |
アフリート、フジキセキ、ブライアンズタイム |
連対騎手ベスト |
武豊、横山典弘、ペリエ、柴田善臣、内田博幸 |
|
|
|
|
|
推定勝ちタイム |
良馬場 |
稍重馬場 |
重馬場 |
不良馬場 |
2歳新馬 |
1分27秒3 |
1分27秒8 |
1分27秒1 |
1分26秒6 |
2歳未勝利 |
1分27秒3 |
1分27秒7 |
1分26秒9 |
1分27秒2 |
2歳500万 |
1分25秒6 |
1分25秒9 |
1分23秒9 |
1分24秒3 |
3歳新馬 |
1分28秒0 |
1分27秒8 |
1分27秒2 |
1分27秒4 |
3歳未勝利 |
1分27秒3 |
1分26秒7 |
1分26秒7 |
1分26秒3 |
3歳500万 |
1分26秒0 |
1分25秒8 |
1分25秒2 |
1分25秒3 |
古馬500万 |
1分25秒9 |
1分25秒2 |
1分24秒9 |
1分25秒3 |
古馬1000万 |
1分24秒7 |
1分24秒6 |
1分24秒3 |
1分24秒1 |
古馬1600万 |
1分23秒8 |
1分23秒6 |
1分23秒6 |
|
古馬オープン |
1分23秒4 |
1分23秒3 |
1分23秒3 |
1分23秒0 |
これ以降は2月6日に作成
前走前 1月21日 美浦南坂路 良馬場 一杯
2回
助手
4F 52.2
3F 38.1
2F 25.4
1F 12.8
ミスニューヨーク(3歳未勝利・前走9着)一杯に0.2秒先着
1月30日 美浦南坂路 稍重馬場 馬なり余力
2回
助手
4F 68.6
3F 50.4
2F 33.1
1F 14.7
2月1日 美浦南坂路 重馬場 馬なり余力
2回
助手
4F 65.2
3F 46.8
2F 30.4
1F 14.4
2月4日 美浦南坂路 良馬場 一杯
2回
助手
4F 49.5
3F 36.6
2F 25.1
1F 13.1
ミスニューヨーク(3歳未勝利)一杯に0秒5先着
2月6日 美浦南坂路 良馬場 馬なり余力
2回
助手
4F 67.0
3F 49.2
2F 31.7
1F 14.5
1月30日、まだ時計を計時というほどの速い追い切りではありませんが、終い1Fが15秒を切ったので、掲載されました。前走の内容が良かっただけに、今回は期待されます。
2月1日、15−15程度で追われました。今週、中1週で出走予定ですが、これだけ速い追い切りがかけられるということは、絶好調と見ていいのではないでしょうか。それなら、かなりやれるかも知れません。
2月4日、ななんと、坂路で50秒台を切りました。この日の2番時計です。これは、かなりの脚力を示します。新馬戦4着はどうやらフロックではなかったようです。大型馬で1度使われて動きが良化していますから、これは期待するしかないでしょう。ほっさんの追い切り評価は終いの13秒台を嫌って「B+」です。
出馬確定表 2月7日 東京1R 3歳未勝利 ダート1400m 全16頭
|
馬名 |
前走騎手 |
前走 |
着 |
人 |
過去着順 |
追い切り |
|
アルアインシチー |
蛯名正義 |
1/25 新馬 |
中山ダ1200 |
4 |
12 |
|
|
|
|
B+ |
|
カシノクリス |
池崎祐介 |
1/05 未勝利 |
中山ダ1800 |
13 |
13 |
8 |
12 |
7 |
8 |
|
増 |
キングデザート |
横山義行 |
1/25 新馬 |
中山ダ1200 |
5 |
11 |
|
|
|
|
|
|
ジュンノブルボン |
小野次郎 |
1/04 新馬 |
中山ダ1800 |
12 |
12 |
|
|
|
|
|
|
スノーレーザー |
郷原洋司 |
1/05 未勝利 |
中山ダ1200 |
7 |
10 |
9 |
5 |
10 |
5 |
|
|
ダイワチャンス |
後藤浩輝 |
1/05 新馬 |
中山芝2000 |
10 |
8 |
|
|
|
|
|
|
ティーガー |
吉田隼人 |
11/02 未勝利 |
福島芝1200 |
6 |
3 |
9 |
4 |
|
|
|
増 |
デンコウヤマト |
吉田豊 |
11/30 新馬 |
東京ダ1600 |
止 |
1 |
|
|
|
|
|
|
トウショウパンサー |
石橋脩 |
11/15 未勝利 |
東京芝1600 |
10 |
11 |
8 |
8 |
|
|
|
|
トキメキヒーロー |
松岡正海 |
10/26 新馬 |
東京芝1400 |
6 |
9 |
|
|
|
|
|
増 |
ネリネ |
左海誠二 |
1/11 未勝利 |
中京芝1200 |
12 |
10 |
3 |
|
|
|
|
増 |
ノボレインボー |
大庭和弥 |
1/11 未勝利 |
中山ダ1800 |
10 |
7 |
6 |
5 |
4 |
5 |
|
増 |
マハラーニ |
江田照男 |
1/18 未勝利 |
中山ダ1200 |
6 |
10 |
9 |
8 |
|
|
|
|
ミスティックセドナ |
千葉直人 |
1/11 新馬 |
中山ダ1200 |
12 |
7 |
|
|
|
|
|
増 |
ヤンゲストリーター |
三浦皇成 |
12/27 未勝利 |
中山ダ1800 |
11 |
2 |
4 |
|
|
|
|
|
ワンツーリターン |
内田博幸 |
11/16 未勝利 |
東京芝1400 |
3 |
2 |
4 |
12 |
|
|
|
表中の「増」は出走想定表に載っていなかった馬 騎手の太字は乗り替わり。
ミスティックセドナ
前走の新馬戦は勝ち馬から3秒5差。父ミラクルアドマイヤという血統も地味で、減量騎手以外に怖いことなし。
キングデザート
前走はアルアインシチーと同じ新馬戦。アルアインシチーが12番人気4着なのに対し、こちらは11番人気5着。しかも、お互い大型馬で見たものどうし。
スノーレーザー
常にツーパンチ足りない状態。
カシノクリス
何戦しても結果出ず。
ヤンゲストリーター
藤沢和雄ブランド。初戦の新馬戦は4番人気4着も2戦目は一気に距離延長して大敗。そんなに強くない印象。
マハラーニ
3戦して8着9着6着と成績は奮わない。
ジュンノブルボン
前走新馬戦は12番人気12着。
トキメキヒーロー
前走新馬戦は芝で6着。今回はダートだが父がバブルガムフェローということからも、ダート替わりがいいとは思えない。
ネリネ
新馬戦はびっくり3着も2走目の前走は12着大敗。そこで2戦使った芝から今回ダートへ。
アルアインシチー
血統も動きも地味だったことから、前走はほとんど期待されずに12番人気。しかし、走ってみればテン良し中良し終い良しの素晴らしいレースで4着。大型馬ということで、叩き2走目の今回は激アツ。
ダイワチャンス
前走新馬戦は芝2000mだが10着と大敗。そこで今回ダートに変更。
ティーガー
芝では4着があるも、1戦走ったダートはいいところなく9着。
ワンツーリターン
ここ2戦は4着3着と好走しているが、それは芝での話。ダートでは・・・。
ノボレインボー
毎回ギリギリ掲示板。
デンコウヤマト
前走新馬戦は1番人気も競走中止。
トウショウパンサー
前走は後藤浩輝騎手で11番人気10着。今回は一気の騎手ダウン。
競馬ブック
短評は「波乱含み」
予想家の印
馬名 |
吉田幹 |
林茂徳 |
吉岡哲 |
キングデザート |
|
△ |
△ |
ヤンゲストリーター |
△ |
△ |
|
トキメキヒーロー |
△△ |
○ |
◎ |
ネリネ |
|
△ |
|
アルアインシチー |
▲ |
|
○ |
ティーガー |
◎ |
△△ |
△ |
ワンツーリターン |
○ |
▲ |
△△ |
ノボレインボー |
|
△ |
△ |
デンコウヤマト |
△ |
◎ |
▲ |
二重△は△△で処理
あとは無印
予想オッズ
馬名 |
予想オッズ |
ワンツーリターン |
3.5 |
アルアインシチー |
4.3 |
デンコウヤマト |
5.5 |
トキメキヒーロー |
5.8 |
ヤンゲストリーター |
8.9 |
以下12倍以上省略
デイリー馬三郎
予想印
◎ デンコウヤマト
○ トキメキヒーロー
▲ ワンツーリターン
☆ アルアインシチー
以下省略
アルアインシチー(4着)
「発馬後気合をつけたら、少し掛かってしまった。もう少しフワッと行かせたかったですね。直線で内にモタれましたが、立て直してからはいい伸び。もう少し距離があれば更に良さそう。」(鷹野宏史騎手・競馬ブック)
「跳びが大きい馬なので、もう少し長い距離の方がいいかも知れない。」(鷹野宏史騎手・デイリー馬三郎)
「直線で少しモタれましたが、立て直したらひと伸びしてくれました。仕掛けると掛かる感じがあるので、フワッと乗るには、もう少し距離があった方が良さそうですね。」(鷹野宏史騎手・ギャロップ)
「もうひと絞りできそうな馬体。しかし、意外とテンに素軽く、スッと好位に取りつく。直線も渋太く粘り込み、素質の高さを窺わせる。大型馬だけに、次走は叩いた上積みが見込めそう。」(競馬ブック)
「まだ気性的に子供で、道中はフラフラしていた。それでも終わってみれば差のない競馬になっており、能力の片りんは感じさせた。」(ギャロップ)
アルアインシチー
「跳びが大きいので距離が延びるのは歓迎。ケイコの動きも前走以上なので好勝負を。」(谷原義明調教師・デイリー馬三郎)
これ以降は2月10日に作成
アルアインシチーはなかなかの好スタートから、前を窺いますが、蛯名正義騎手が押しても押しても他馬も加速が良く、外枠ということで、内にも潜れず、6番手の外を追走します。
終始外々を回りますが、4角では絶好位で、しかも手応えがあったことから、「勝ったか!!」と思われましたが、直線に入って全く伸びず、ズルズルと馬群に飲み込まれていきます。
前走はここから素晴らしい粘りを見せましたが、よもやの失速。9着で出走奨励金すらも逃しました。
今回のアルアインシチーの走破時計1分30秒0良は、東京ダート1400mの3歳未勝利戦の過去10年の平均勝ちタイムが1分27秒3良であることを考えても、いただけない時計です。
一時のダイワメジャーのように、左回りは全くダメか、距離か、それともこの程度の馬なのか。前走も4着とはいえ、時計の裏付けはありませんでしたから、ヤバイ気もします。
アルアインシチー(9着)
「位置取りとしては文句なかったと思うし、これで伸びなかったのだから仕方ないね。今日は少し元気がなかったみたいだね。」(蛯名正義騎手・競馬ブック)
アルアインシチー(9着)
「攻め強化。先行争いの直後で理想的な形も、手応えほど反応せず。レース慣れが必要。」(競馬ブック)
私は美浦とはいえ、坂路で4F49秒台で上がれる脚力のある馬ですから、能力はあると思います。
では、今回の敗因ですが、オーバーワークによる疲労ではないでしょうか。大型馬ということもあり、絞り込みに重点を置き過ぎてやり過ぎた気がします。特に直前の追い切りで物凄い時計を出してしまったわけですから、その反動がないはずがありません。
結果論ですが、攻め強化が失敗だったと思います。しかし、大型馬が叩き一走目であれだけ走ったのですから、当然優先出走権を持って臨める今回は、攻めを強化して、万全の態勢で出走するのは当たり前です。谷原義明師のやり方になんの落ち度も文句もありません。ただ、結果的に敗因が何かと言われると、攻め強化によるオーバーワークが一番しっくりときます。
逆に先日2着に好走した愛馬クリンゲルベルガーは馬格がないということもありますが、全く強く追い切らずに結果を出しました。次走はそういうパターンでもいいのではないでしょうか。
初戦の内容は良かったのですが、メンバーや走破時計からですと、とてもとてもレベルが高かったとは言えず、競馬ブックのスピード指数でも”34”と未勝利戦勝ち負けレベルの”70”には、程遠い数字です。
ですから、こんなものかも知れません。
しかし、美浦とはいえ、坂路で50秒台を切るということは、脚力がなければできません。私はそこを評価したい。嵌れば勝ち負けできる馬だと勝手に思っています。
馬券は次走は怖くて買えません。しかし、代替愛馬初の勝利に向かって、期待はしています。
がんばれアルアインシチー!!
最後までご愛読ありがとうございました
2009年1月30日作成 2月2日、4日、6日、7日、10日加筆
アルアインシチーの過去の特集をご覧になりたい方はこちら
初出走 2009年 1月25日 3歳新馬 中山ダ1200m (4着/12番人気)